「試験受けていましたよね。 どうでしたか」と 尋ねてきたのです。 無視するわけにもいかず 少し愛想笑いをして 「試験合格しました」と 小声で答えました。 これで 会話が終わりと思っていたのですが なおも 話しかけてきたのです。 男性: それはよかった。 僕も合格したんですよ。 昨年より少し易かったように 思います。 以下()内は由美子の 独り言です。 すこし 下品に表現していますが 由美子は お上品な性格です。 (あなたが 合格したかどうかとか 問題が易かったとか そんな情報要らないわ) 由美子: よかったですね 男性: そうなんです 二度目なんです 苦労が報われてよかったです。 あなたは何回目ですか (バカじゃないの あの程度なら 1回で合格しろよ 勉強しなかったのかよ 私なんか) 由美子: 一回目です 男性: 頭いいんでね 僕なんか ダメですよ (そうそう ダメダメね 顔も普通だし 頭ももうひとつ いいところないじゃないの) 由美子: そんな事ないです 私が 合格したのは 運です。 (本当は もちろん 実力と 努力) 男性: そうかもしれませんね (バカにされた?? 何を言うの この男!!! 実力と言えよ) 由美子: そうですね 男性: 何学部ですか (このバカ そんな事聞くな 本当のことを 言えないだろう) 由美子: それは 、、、、、 男性: 当てましょうか IT関係ですよね 情報処理学科でしょう (なんで そんな推理なの 仕事はそうだけど そこまで推理するか 当たっていないし 面倒な人だ これに乗ってやろう) 由美子: えっ えー 男性: 図星でしょう 勘だけは 当たるんですよ これから 授業ですよね。 (全然当たっていない! 何を勝手に 言っているんだ。 早くどこかに行けばいいのに) 由美子: いいえ 帰るところです。 男性: いや 当たらなかったな 僕 工学部の 4年生で 上羽優といいます。 メルアド 交換できませんか (突然 何を言うのこの男は メルアドなど 交換できるわけないでしょう でもこの場は 使っていない フリーメールアドレスでも 教えておこう こんな時のために 用意していてよかった。) 由美子は 携帯を取りだして メルアドの交換をしました。 男性: 私も帰りますので 駅まで 一緒に行きませんか (何をおっしゃるの あきれたものだわ) 由美子: 友達と 待ち合わせているので それはちょっと 男性: そうですか 残念です。