地球に住んでいる 生き物の 命の将来は 全く予想だにもできません。 同じように この地球上で暮らす 人間も 同じです。 「朝に紅顔ありといえども 夕べには白骨となる」 です。 大切に思った人でも その例外ではありません。 逝った人も 先立たれてしまった人の心情は どうだったんだろうと 思って この駄作を 書かして頂きます。 20話程度の 小話となる予定だったんですが 少し長くなるようです。 わかりません。
あらすじ 大場由美子は 高校生の ちょっとした出来事で 男性不信となります。 何もなく その日一日が 送れることが 幸せだと 思うようにしていました。 そんな由美子は 時間が余ったので 資格試験を受けることになり そこで ある男性に出会います。 試験の結果は合格です。 でも その結果を喜んでくれる人は いませんでした。 ひとりでお祝いに 試験場の学食を 食べに行って また男性に会ってしまいます。 いろいろあって 映画を 見に行くことになったのですが 、、、、、、、 映画に感動して 友達として つきあっていくことなりました。 それとは別に 由美子は 大学に行きたくなってしまったのです。
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彼女は 大場由美子 23才です。 地元の高校を出て ネット通販の会社に勤めて 5年 仕事にも慣れて 先輩には信頼され 後輩からは 慕われるようになりました。 毎日が楽しくて 日々生活していました。 由美子の会社は 週休二日制です。 休みの時には 家で スキルを高めるために 勉強していました。 ネット業界は 日進月歩で 今の仕事が いつまで続くか わからないからです。 そんな用心深い 由美子だったのですが 用心深いと言うだけで 冒険をしなかったわけではありません。 それには 高校生の時の 経験が トラウマとなっていました。 高校二年生の時に 憧れの先輩が 水泳部にいました。 由美子も すっごく 好きになっていて 泳ぎは苦手なのに 由美子も 二年生になってから 水泳部に 入りました。 水着に着替えて プールへ行きました。 憧れの先輩が 準備体操をしていました。 由美子も 同じように 準備体操して 体を濡らして 練習を始めました。 3年生から 順番に 泳ぎ始めました。 レベルが高くて コーチが いろんな事を アドバイスしていきました。 由美子は 新入りですから 一番最後でした。 飛び込みができませんので プールに入って クロールで 泳ぎ始めたときに そのことは 起こったのです。
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みんなが見ているまでで 泳ぎ始めました。 水温が冷たくて 体が あまり動きません。 足が 少し吊ったようになりました。 日頃運動していなかったのが 悪かったのでしょうか。 足が 動きにくくなって 半分溺れたように 手足を バタバタしたのです。 それを見ていた コーチは 怒って 怒鳴りつけました。 「遊ぶな 上がってこい」と 怒鳴りつけました。 由美子は 恥ずかしくて 顔を真っ赤にして 上がってきました。 それを 先輩は 笑っていました。 そして 由美子が 先輩の横を すごすごと 通ろうとしたときに その先輩が 小声で 「真剣にやってもらわないと 遊びなら やめてほしい」と 言ったのです。 高校生の由美子は ショックでした。 相当覚悟して 水泳部に入って 水着に着替えて 出てきたのに そんないわれかたを されて ショックでした。 更衣室で 涙が 出ました。 その日以来 人を好きになることを やめました。 どんなに ステキな人が 現れても 見ないことにしました。 職場も 女性と 中年の男性ばかりで 由美子は 良かったと思いました。
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職場では 女友達とは 仲良く付き合っていました。 何度も 合コンに誘われて 断り切れなくて 行くことになりました。 初めてですので 緊張しました。 友達の 後ろに付いていたというのが いいかもしれません。 自己紹介も おおざっぱに 由美子は 言いました。 相手の男性陣は なかなか 場慣れしていて なれなれしく 由美子に 話しかけてきました。 由美子が 嫌がっていても お構いなく 話しかけて 困惑してしまいました。 やっと終わって よかったと思ったら 二次会に誘われましたが 固持しました。 そんな事があってから 友達の女性陣には 「ノリの悪い子」と思われ 男性陣からは 「近寄りがたい女」と 思われてしまいました。 そして 二度と 合コンには 誘われなくなりました。 由美子は それは好都合と 思って 殻の中に 閉じこもるようになってしまったのです。
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そんな由美子を 両親は心配していました。 親は 適齢期になったので 見合いの話を 勧めたのですが 全く乗り気では ありませんでした。 親は 心配していましたが まだまだ 若いのでいいかと 思いました。 親公認で 結婚しないように なってしまって ますます 異性を 意識しないようになりました。 朝起きて 食事をして 混んだ電車に乗って職場に行き いつもの仕事をして 終業のチャイムで 退社して 家に帰る決まり切った 生活パターンが 由美子は良いと思いました。 毎日 同じ事ができるのが 幸せだと思うようになりました。 時間が余るので スキルを高める 勉強をしていました。 休みの日には 部屋の掃除や お料理を作っていました。 それでも 週休二日制では 時間がありあまるので 図書館に 勉強のために 行っていました。 勉強は 学生の時には あまり好きではなかったのに 不思議だと 思いました。
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嫌いだった勉強も できるようになって もっと勉強して お医者さんにでも なろうかと 思ったのですが やめておきました。 学費が続かないだろうと 思ったからで 学力が 不足だとは なぜか思いませんでした。 医師を目標とすべき 理由もなしに 医師になるのは 少し心がとがめました。 やはり今の仕事で 技術を 磨くのが いいと思いました。 そこで IT業界に勤める 由美子は IT関連の資格を 取ることにしました。 取ったからと言って 由美子の勤める会社では 資格手当が 支払われることも ないのですが そんな事しか 考えつかなかったのです。 猛勉強と言うより 時間を もてあましての 勉強だったのですが どういう訳か うまくいったのです。 試験場では 時間が余ったので 他の受験者を 観察していました。 やはり 若い人が 断然多く 30歳過ぎの男性の方が多かったです。 そんな男性の中に 少し 神経質で 最後まで 答案用紙を 見直しているようでした。 その見直しが 何か独り言をいうように ブツブツいっていました。
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「独り言を そんな大きな声で いうなよ」と 由美子は思いつつ そう言えば 私も言っているかも知れないと 思って 思わず 笑ってしましました。 そして 試験のことを考えずに 独り言をいっているかどうか 考えました。 はやり 独り言を 言っていっていました。 やはり注意しないと いけないと思いつつ 考えていると 時間が来て 試験が終わりました。 途中退席を 大方の人はしていて 由美子の近くは 例の ブツブツ言う 男性だけでした。 試験官が 答案用紙を集めてきて 数量を確認するまで 座っていました。 見るともなしに 見ていたら 男性は 筆記具を 鞄の中にしまうときに リンゴとミカンともうひとつが 入っていたのです。 普通 試験場に ミカンはいいとしても リンゴは 普通持ってこないと思ったのです。 そして もうひとつのものなど 絶対に持ってこないと思いました。 もちろん 受験要領の 持ち込み禁止の中に そんなものは 入っていないことは わかっていました。 またまた笑ってしまいました。 笑ったところを 見られてしまったのです。 恥ずかしくなりました。
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目と目があって 軽く会釈してしまいました。 その男性は そそくさと 前のドアから出ていったので 由美子は 後ろのドアから出ました。 試験が行われているのは 有名な大学で 高卒の由美子は 見るもの 聞くもの 新鮮でした。 調べると 学食が 有名で 一般人でも 食べられるので 行ってみることにしました。 案内図を参考に行ったので ぐるっと回って 学食に到着すると 日曜日で 休みでした。 前の コンビニは 営業していましたが 用がないので 帰ることにしました。 残念と思いました。 もし 試験が合格していたら お祝いに 休みを取って 学食に食べに来ようと 思いました。 駅まで歩いていると 前を 例の男性が 歩いていました。 駅に着いて 電車を待っているときも 前に例の 男性がいました。 同じ電車に乗って 途中で 乗り換えです。 その男性は 乗換駅で サッサと下りて 由美子の前を 歩いて 次の 電車も一緒でした。 由美子は ストーカーかと 思いました。
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ストーカーは つきまとう人のことですから 前を歩く あの男性は そう言う定義からすると ストーカーではないと おもいました。 むしろ 自分がストーカーではないかと 思ったのです。 気になって 見ていると かの男性は 鞄からミカンと ティッシュを取りだし ミカンの皮を ゆっくりと剥き始めました。 白いところを ジックリと 取り始めました。 それを 見ていて 由美子は 笑いがこみ上げてみました。 ミカンと 関わっている 男性を 食い入るように 見ている 自分が 面白くなったのです。 そんなの見てどうすると 思ったのですが 気になって仕舞って。 見てしまったのです。 見るべきでないとわかりつつ 見ていると 一袋ずつ 食べて ゆっくりと ティッシュを片付けました。 駅到着すると 降りていきました。 由美子の降りる駅の ひとつ手前でした。 もうこれで 見なくていいと 思いました。
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由美子は 電車降りて 階段を下りていく 男性の横顔を 電車から見ていました。 壮観な顔つきで 男という 感じでした。 男性に不信を持つ 由美子は 男性を じっくり観察することなど 高校以来 初めての出来事です。 観察して その結果は わかりませんでした。 だって 同じ試験を受けて 試験場に リンゴとミカンと もうひとつを持ってきていて 隣の駅に 住んでいるということしか わからなかったからです。 情報が 全く少ないと 思いました。 そんなことを思いつつ 一日が過ぎ 翌日は 同じような毎日の始まりです。 今回の試験が 合格すれば 次は何よしようかと 楽しく 悩んでいました。
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日々 平常心の 日常が 過ぎていきました。 由美子の 父や母は 平常・普通・変わりないが 一番いいと 口癖でした。 その流れで 由美子も 毎日同じが 一番いいと 思うようになりました。 そんな日常が過ぎて 発表日がやっていました。 会社で私的な ホームページを 見る事は禁止されていて ディスプレイが 録画されていて 監視員までいたのです。 スマホがない時代でしたので 由美子は 楽しみしながら 家に帰りました。 家に帰って すぐに パソコンを見ました。 由美子の 受験番号 を見付けました。 初めての 国家試験合格で 嬉しくなりました。 運転免許も 持っていないのに これに合格するなんてと わけの分からぬ事を 思いつつ 喜びました。 両親にも それをすぐに 話しましたが 全然 感動も おめでとうの言葉も ありませんでした。 両親は そんな事より 結婚することを 勧めていたのです。 会社に行って 上司や同僚に話しましたが 別に 反応は ありませんでした。 あんなに努力したのに 誰も 感動してくれないって 何か 虚しく感じました。
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小さい時から そうだと思いました。 兄は 少しのことでも 誉められても 妹の由美子は 誉められなかったように 記憶していたのです。 由美子は 自分で 自分を誉めてあげようと 思いました。 試験の時に 合格したら 学食に 食べに行こうと 決めていたことを 思い出しました。 翌日 課長に 休暇願を出しました。 課長は 有給休暇の 消化が 低い由美子の 休暇願を 喜んで承認しました。 連休にしたらと 言ってきたくらいです。 でも 一日だけにして 朝から 大学に行くことにしました。 母親に 「今日は 休んで 遊びに行きます」と 言うと 驚いていました。 病気とか 冠婚葬祭以外で 休んだことがないので 驚いていたのです。 電車は 学生で 混んでいました。
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混んだ電車の中は 学生で一杯でした。 みんな携帯を見て メールをしていました。 「今時だな」と 思いました。 結構 由美子も若いのに そう思ったのです。 大学に到着すると 昼のランチまでは まだまだ時間があったので 学内を 見て回りました。 図書館があったので 中に入りました。 学生風なら 何のおとがめもなく 中に入れたので 図書館の 一番にいい席に 座りました。 外が見渡せる 窓際の席で 図書館内部も 見渡せました。 雑誌を 書棚から取りだして 見るとはなしに 大学生を見ていました。 みんなは 学生生活を 楽しんでいる様子でした。 懐かしいような 気分になりました。 秋晴れの天気が そう思わせたのかも知れません。 ランチが始まる時間になったので 学食に行って Aランチの食券を買って トレーに載せてもらって 空いていたので ここでも一番いい席に 座りました。
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由美子は いつも 食事は ゆっくりです。 両親が 食事は ゆっくりと 食べるように 指導していたためでもありました。 由美子は ゆっくり食事をしていると 大学の授業が 終わったのか ドッと 学生がやってきて みるみるうちに 席は 一杯になりました。 4人掛けの テーブルに 最初筋向かいに女性が 次に隣に女性が そして 向かいに男性が トレーを持って 座りました。 由美子は 窓の外を 見ていたので どんな人が 座ったかは わかりませんでした。 なにげに 目を 正面に移すと 男性が 食事をしていて 目と目があって 思わず 「アッ」と 小声で 言ってしまいました。 例の男性だったのです。 男性の方も わかったのか 同じように 驚いた様子でした。 由美子は 少し汗が出ました。 窓の外をみて やり過ごそうとしました。 しかし 男性が 声を掛けてきたのです。
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「試験受けていましたよね。 どうでしたか」と 尋ねてきたのです。 無視するわけにもいかず 少し愛想笑いをして 「試験合格しました」と 小声で答えました。 これで 会話が終わりと思っていたのですが なおも 話しかけてきたのです。 男性: それはよかった。 僕も合格したんですよ。 昨年より少し易かったように 思います。 以下()内は由美子の 独り言です。 すこし 下品に表現していますが 由美子は お上品な性格です。 (あなたが 合格したかどうかとか 問題が易かったとか そんな情報要らないわ) 由美子: よかったですね 男性: そうなんです 二度目なんです 苦労が報われてよかったです。 あなたは何回目ですか (バカじゃないの あの程度なら 1回で合格しろよ 勉強しなかったのかよ 私なんか) 由美子: 一回目です 男性: 頭いいんでね 僕なんか ダメですよ (そうそう ダメダメね 顔も普通だし 頭ももうひとつ いいところないじゃないの) 由美子: そんな事ないです 私が 合格したのは 運です。 (本当は もちろん 実力と 努力) 男性: そうかもしれませんね (バカにされた?? 何を言うの この男!!! 実力と言えよ) 由美子: そうですね 男性: 何学部ですか (このバカ そんな事聞くな 本当のことを 言えないだろう) 由美子: それは 、、、、、 男性: 当てましょうか IT関係ですよね 情報処理学科でしょう (なんで そんな推理なの 仕事はそうだけど そこまで推理するか 当たっていないし 面倒な人だ これに乗ってやろう) 由美子: えっ えー 男性: 図星でしょう 勘だけは 当たるんですよ これから 授業ですよね。 (全然当たっていない! 何を勝手に 言っているんだ。 早くどこかに行けばいいのに) 由美子: いいえ 帰るところです。 男性: いや 当たらなかったな 僕 工学部の 4年生で 上羽優といいます。 メルアド 交換できませんか (突然 何を言うのこの男は メルアドなど 交換できるわけないでしょう でもこの場は 使っていない フリーメールアドレスでも 教えておこう こんな時のために 用意していてよかった。) 由美子は 携帯を取りだして メルアドの交換をしました。 男性: 私も帰りますので 駅まで 一緒に行きませんか (何をおっしゃるの あきれたものだわ) 由美子: 友達と 待ち合わせているので それはちょっと 男性: そうですか 残念です。
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名前 何というのですか 教えて下さい。 (個人情報を 聞いてくるな ハンドルネームでも 言っておこうか でも 信じないし 何がいいかな こっち見ている 面倒だよね) 由美子: 大場です 男性: 大場さんですか 大場と 上羽は 似てますよね (「ば」だけじゃないの 大と 上は 全然違うじゃないの) 由美子: そうですね こんな話が 30分以上続いて 由美子は 約束の時間だからと 言って やっと その場を立ち去りました。 高校以来 男性と 仕事以外で 話したことは 親以外ありません。 冷や汗だと 思いつつ よくもまあ 「突っ込んだよね」と 思いました。 由美子は 電車に乗って 帰りました。 家に帰ったら 3時頃で おやつをたべながら 昼の出来事を 考えました。 値段は安いですが 学食の Aランチの 味は 普通でした。 そんな事より ナンパされたことが 記憶に残りました。 「私って 女としての 魅力があるのかしら えへ やはり 私は 美人のだ」と 思いました。 そう思うと 何か嬉しくなりました。 「でも もう少し イケメンに ナンパされたかったな」とも 思いました。
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大学での 楽しい雰囲気が 忘れられません。 大学へ 行きたいと思いました。 高校生の時は もう勉強は いいと思っていたのですが やはり 一度は 大学生になってみたいと 思ったのです。 大学生になるには ふたつの障壁が あると思いました。 ひとつは お金です。 学費も 生活費もいるし 今の蓄えは 500万ほどなので 学費に 300万以上使えば 4年間の 生活費は 200万円ほど しか残りません。 食費と その他の費用が 年50万円では 少し心細いと 思いました。 両親に 反対されて 家を出なければならなくなったら お家賃もいるし そうなると もう絶対に無理だと 考えました。 それに もうひとつの 学力の問題です。 高校時代は 成績は よくなかった由美子には 高い障壁です。 やはり大学には 無理かと思いました。 夜間大学は 殆どなくなってしまったし やっぱり 大学生は 無理よね
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でも やっぱり 大学生は 優雅でいいよねと 思い続けていました。 インターネットで 何かいい情報がないかと 調べていると ユーザー登録すると いろいろと調べられる サイトを見付けました。 そこで 例の フリーメールアドレスを 使って 登録しました。 承認するメールが 届くので フリーメールを 見る事にしました。 いろんな迷惑メールが やって来ていました。 パーと見てみました。 その中に 「大場さん今度映画でも」という題の メールが 何通もやって来ているのです。 いつもなら やり過ごすのですが 何となく見てみました。 どう見ても 大学で出会った 例の男性 確か 上羽とか 言ったのでしょうか。 毎日 決まって 1通ずつで 5通も 来ていました。 どうしようかと 考えました。 このままやり過ごそうか それとも 返事をしようかと 思いました。 メールの中に 見たい映画の 題名が書いてあったのです。 その映画 見たかったと 思ったのです。 映画館に ひとりで行くと 何となく 隣の カップルが 気になって仕舞うのです。 そこで 映画に行くのを ためらっていました。
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「上羽さんを 利用して 久しぶりに 映画でも 見に行こうかと 思いました。 ひとつだけ 心配なのは 由美子が 学生だと 思っていることでした。 学生だとは 言っていないのに 勝手に そう思い込んでしまったのです。 「やはりここは 告白 告白ではなく 連絡しないと OLだと メールで まず伝えないと」と 考えて ささっと メールを送りました。 送ったら つかさず 返信が来ました。 「早 何と言うこと そんなに早く 返信できるって 勉強しろよ」 と思いつつ メールを見ました。 「知っています。 すぐに 情報処理学科に行って 確認しました。 大場さんは 私が 最初予想したから 恥をかかさないように そうしたんだよね 大場さんて 優しい人なんですね 友達に なりたいです」と 返信してきたのです。 「何と言うこと お人好しの 人ね 単に 邪魔くさかっただけなのに 上羽さんは 本当に良い人かしら それとも 単純なバカ どちらでもいいわ」と 思いつつ 映画に行く メールを 送りました。
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タイタニックでも 見に行こうかと 思いました。 すぐに返信がやってきて 行くに日が決まりました。 次の日曜日に 隣の駅で 待ち合わせることになりました。 どんな服を着ていこうかと 悩んでしまいました。 普通なら 楽しい悩みだと 思うのですが 上羽は 好きな相手でもないし だから デートでもないしと思いました。 それなら どんな服でもいいので 悩やむ必要もないと 思いました。 そこで 試験でも 着た服に 厚着の セッターを着ました。 秋も深まって 少し肌寒い日でした。 由美子は 厚着をしていたので 寒くはありませんでした。 由美子が 到着するまえに 上羽は 待っていました。 ビシッと 決めた服装で やって来ました。 かなり薄着でしたが 楽しそうに 待っていて 由美子を見るなり 手を振って 近づいてきました。
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上羽は嬉しそうでした。 由美子の所まで やって来ると 少し息が上がっているようですし 顔が 赤くなっている様にも 見えました。 (上羽さんたら そんなに興奮してどうするの それに 全力疾走でもないのに なぜ息が上がるの) 由美子: お待たせしました。 上羽: 待ってません (だいぶ無理しているのが 見え見えですよ) 由美子: そうですか よかった 上羽: 今日は タイタニックですよね 楽しみです。 (本当にそうなの) 由美子: 上羽さんも 好きだったんですね よかったです。 上羽: 大場さんと 同じ好みで よかったです。 (本当にそうかな 映画趣味なんでしょうか 聞いてみよう) 由美子: 最近見られた映画は 何ですか 上羽: えーっと たくさん見たし えーっと (やっぱりウソね でも 私も 最近映画見ていないし) 由美子: たくさんあったら すぐに出ないですよね 私もそうなんです。 上羽: そうなんですよ 大場さんは どんな映画 (えー そんなこと 自分も知らないことを 人に聞くなー) 由美子: たくさんあって すぐに出ません 上羽: そうですよね 入りましょうか チケット買っておきました (やった- だだで見れるぞ- 気前が良いぞ) 由美子: ありがとうございました。 ポップコーン 私が買いますので 上羽: ありがとうございました。 (ポップコーン だけですんで うれしい ポップコーンも 私が全部食べてやるー えへ) ポップコーンを持って ふたりは 映画館へ入っていきました。
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少し早かったので 真ん中の 中程の席に座りました。 既に座っているカップルが ポップコーンを ふたりで すこしずつ 食べていました。 映画館の中は 暖かいので 由美子は 上の セーターを 脱ごうかと 思ったのですが 中が 試験日と 同じ服装なので どうしようかと 悩みました。 でも だいぶ前のことなので 覚えていないだろうと 思って 上着を脱ぎました。 上羽を見たら じっと見ていて 目と目が合ってしまいました。 上羽: 良い服ですね 勝負服ですよね (何をおっしゃる うさぎさん) 由美子: 勝負服って 上羽: 勝負服というのは 大事な時に着る服ですよね 試験日にも 着ていたでしょう やっぱり勝負服 (えー そんな風に 理解するんだ 上羽さんは ちょっと違うよね 上羽さんは この映画も 大事だと 思っているんだ。 なんて バカなの 私の本心を なぜわからないのだろう) 由美子: そんなつもりではないのですが 上羽: 隠さないで良いですよ (何と言うことでしょう そんな風に理解するのは どういう事なのか わからなくなってしまった ここはズバッと 聞いてみよう) 由美子: 上羽さんは 私のことを どんな風に思っているんですか (聞いてやったわ さあどうする 上羽)
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上羽は その意地あるそうな その質問に 速攻で 答えました。 上羽: 好きに決まっているじゃないですか 付き合っているのに そんな事聞くなんて もうすこし ロマンティックな 場所を用意して プロポーズしようと思っているんですよ (えっ 私たちが 付き合っている! そんなバカな 何を言っているのか プロポーズは 絶対にあり得ない 独りよがりの塊か) 由美子: 私たちは 付き合っていません。 それに 私は あなたのことを 好きでもありませんし 第一 あなたのことを 何も知りませんし と言ったところで 映画の 予告編が始まり 話ができなくなりました。 ふたりは 何も言わずに ポップコーンを食べて コーラを飲んで 映画を 見続けました。 映画タイタニックは 突然恋に落ちたふたりが また突然 ひとりが 死んで 引き裂かれるという 内容です。 そんなに突然 好き合うなんて あり得ないと 由美子は 考えていました。 上羽の方は ありぐちな話だと 考えていたようです。 映画の エンドロールが流れて 明るくなって ふたりは 顔を会わすと ふたりとも 涙目でした。
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ふたりとも 映画に感動して 感情的になってしまったのです。 そんな風になって 黙って 映画館を出て 喫茶店に入りました。 由美子は 席に座って 一呼吸置いて 映画を見る前のことに やっと思い出しました。 あの続きをしないと 誤解されたままでは と思ったのです。 そこで 反復しました。 由美子: 私たちは 付き合っていません。 それに 私は あなたのことを 好きでもありませんし 第一 あなたのことを 何も知りませんし と言いましたよね 上羽は 映画の世界から まだ帰ってきていなくて ロマンティックな世界に 浸っていました。 由美子の質問を あまり理解していないような 答を したのです。 上羽: そんな そんな事ないでしょう また冗談を言って こんど 僕の両親にあってもらうから 説明するね (全然理解していない 大きな声で 言ってやろう) 由美子: 何を言っているの 私は あなたのことを 好きでないの だから 付き合っていないの それに気付いて下さい わかりましたか。 上羽は 現実の世界に帰ってきて 「わかりました」と 小声で言ったのです。 その後すぐに 上羽: 付き合っていないことは わかりました。 だったら 今から 付き合って下さい。 絶対に あなたを幸せにしますから (まだわからないみたい ハッキリ言った方が いいよね) 由美子: 付き合いません (またまた言ってやったわ)
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上羽は とても 狼狽した様子で 目を 丸くしていました。 困った様子で 頼むように 由美子に言います。 上羽: わかりました。 すみませんが 友達からでも良いです。 無理なことは言いません。 お願いします。 (ここまでいっても 諦めないのは 本当に 私のことが好きなのかな 可哀想だし 友達になってやろうか 話していて 楽しいし 人助けにもなるし) 由美子: だったら 友達と言うことで また映画でも 見に行きましょうか 上羽: 行きます 行きます 映画ですよね 今度は どんな映画にしますか やはり ロマンティックなもの (誤解されたら困るから それはダメだよね) 由美子: ハードボイルドなのが良いわ 上羽: それも良いですね マッチョになる様にします。 この後 話は 和やかにすすみ 当然何もなく ふたりは 別々の駅へと 帰って行きます。
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「ハードボイルドは 良いですよね。 ドンパチの映画見たら スカッとしますよね。 必ず行きましょうね。 次の日曜日なんかどうでしょうか ねっ 次の日曜日」 と言って 去っていきました。 (どうしようかな まあ 勉強もあるし 次の日曜日は 無理だよね)と考えて 家まで帰りました。 家に帰ると 母親が 「楽しいことあったの」と 言ってきました。 由美子は 母親からは 楽しく見えるのだと 思いました。 やっぱり 上羽と 会っていたら 楽しいかも知れないと 思いつつ 「そんなの堕落」と わけの分からないことを 思いつつ 時間が過ぎました。 メールが 毎日 一通ずつ やって来ていました。 由美子は 3通で 1通返すようにしていました。 すべて返すと クセになるから ダメと 考えていたのです。
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そんな待遇を受けながら 上羽は へこたれずもせず 毎日 メールを送ってきたのです。 文面は わりと長くて 一日の出来事を 事細かに書いていてありました。 大学生の 上羽なのに そんなに 変わった出来事がないはずなのに 友達のこととか ゼミのこと 通学途中の 電車の中のことなんかを 書いてありました。 最後に 由美子への 思いも 少しだけ書いてありました。 段々読み続けると 上羽のことが わかってきました。 わかったからと言って 好きになることはないと 由美子は思っていました。 というか 絶対に 好きにならないと 決めていました。 なぜこんなに こだわるのかが 由美子自身も わけが分からなくなりました。 それとは別に 由美子は 受験勉強を 始めていたのです。 公立の 大学へ行くことができれば 大丈夫と考えたのです。 寝るのも 削って 勉強していました。
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学力が伸びて 大学に入学できるなど 実際は 無理だと 由美子は思っていましたが 何せ 閑だから 勉強していました。 夢を 持つことは 世間では 良いことになっていますので 由美子も それに習っている 感がありました。 そんな勉強ばかりの 日々の中で 上羽からのメールは ひとときの 休息を 与えるようなものでした。 メールを見ていると 大学生は やはり良いとも 思っていました。 映画を見てから 3週目になった頃も 同じように メールが来ていて よく種切れにならないものだと 考えて ここは 「デートでも してやるか」と そんなメールを 送りました。 今度は 映画ではなく 大学の中を 案内するように お願いしたのです。 上羽の 返信は いつものように 超速で やって来ました。 明日でも良いと 連絡がありましたが それでは 会社に 休暇届を 出せないので 仕事の少ない 木曜日にしようと 言うことになりました。 上羽は メールの文面から 相当嬉しそうでした。 由美子もそれを見て 何となく 暖かくなりました。
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由美子は 木曜日が 待ち遠しいく 思いました。 勉強していても なぜか 心が入りません。 大丈夫と 思うことにしました。 何か大丈夫か よく考えると わかりません。 このことについては 由美子の いつも理路整然とした 考えが 及ばないことでした。 着ていく服が ないと考えた 由美子は 会社終わりに いろんな店を 見て回りました。 合理的な思考を 大事にする 由美子には 店員の 言葉は 全く信用できなくて いつもは うんざりしていていました。 その日は なぜか説得力を感じた店員の 言葉を信じて ファーの付いた 淡い色の コートを 買いました。 休暇願も 課長に出すと 課長は 少し笑って 判子を押してくれました。 木曜日 両親に 友達と大学に行ってくると 言って 出掛けました。 前と同じ駅前に 前より もっと早く着きました。 でも 同じように 笑顔で 手を振って 笑顔で 近づいてきました。
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わりと大きめの声で 「おはよう 大場さん」と 上羽は 挨拶してきました。 由美子: おはようございます。 今日はよろしくお願いします。 上羽: いいえ なぜ大学なんですか 由美子: 大学を よく知りたくて 上羽: 大学好きなんですか 由美子: 興味があるのです 上羽: 大学行きたいんですか 由美子: できれば でもダメですよね 上羽: そんな事ないと思いますよ 大場さんは 私より 頭いいし 由美子: そんな事ないです 上羽: それなら 大学行けば 由美子: 無理なんです 学費が 続かないんです 先立つものがないと 大学には行けません。 大学は 諦めます。 でも 今日は 大学に行きたいなと 思うんです。 上羽: 簡単に言って すみません。 少し深刻になったふたりは 満員電車に乗って 大学へ向かいました。 大学に着くと 活き活きした 空間が ふたりを 包み始めて 前向きな気持ちになってきました。
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楽しく 大学を見て回り それから 上羽の 受講する 教室に向かいました。 教室の 前の方に座って 先生を待ちました。 授業は 都市計画学で 都市は どんな風に計画するかです。 由美子には あまり興味のない 学問ですが なぜか 楽しくなりました。 大学の 雰囲気というか 臭いというか それが なんか たまらなく 良いものだと思いました。 授業を受けている 学生を 見回しました。 まじめに 受けているものもあれば 全然聞いていないものも いるようです。 上羽は まじめな方のように見えました。 授業が終わって 学食に向かいました。 学食で となり同士に座りました。 例によって 上羽は 人なつっこく 話しかけてきました。 時候の話や 政治・経済の話などを 上羽は 流暢に話しました。 上羽は 本当に話が 上手だと 由美子は 思いました。