一週間後の朝 新聞の地域版に 国家試験の合格者の名前が 並んでいました。 湖子の名前は ありました。 和己はどうなんだろうと 電話をしました。 和己は 見ていないというので 早く見て欲しいというと しばらく時間が過ぎてから 受話器の向こうから 歓喜の声が聞こえました。 「合格 合格 合格です。」との声です。 湖子は 良かったともいました。 それから 湖子と和己の結婚の準備が 始まりました。 湖子が 婿養子に入るというので 和己の父親からの 結納から始まります。 長瀬家から 5月の大安の日に 結納用品一式が 持ち込まれ 座敷に並べられました。 足の踏み場もないと言うほどの量です。 結納金自体は 1000万円で 破格です。 弥生は びっくりです。 いわゆる嫁入り道具を それなりに作らないと いけないので 大慌てです。 新居も庭に新たに 作りました。 南向きで 明るい部屋でしたが キッチンと 6畳がひとつです。 和己は 「こんな部屋に住んでみたかった」と 嫌みではなく いっていました。 小さなお部屋に住んだことのない 和己には 新鮮だったのかも知れません。