ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「ロフトで勉強しましょ」結婚編その18

尼崎工場の
一番立派な
応接室に通されました。

3人は
既に
部屋で待ってました。

時間に遅れたのかと
思って
「遅れてすみません」と
謝りました。

口を揃えて
「遅れていません」と
答えました。

一番年長の
元経理課長が
ゆっくりと
話し始めました。

「概略は聞いていただいたと思いますけど
年初の
取締役会で
十詩子君
いや十詩子さんの慰留を
私たち3人が
命令されました。

そもそも
十詩子さんは
おめでたい結婚で
退職したのに
それを
慰留する係とは
厳しいです。

それをしなければならない原因は
十詩子さんは
わかっていらっしゃると思います。

バブルがはじけて
平成の大不況が来て
少し持ち直したかと思うと
リーマンショックで
世界的不況になって
わが社も大変なのは
知っている思います。

その折々で
十詩子さんのレポートが
会社の進路を
示す最善の資料になったことは
社員全員が知っていることです。

取締の中でも
少数のものしか知らないことですが
わが社は
最大手と合併の話が
浮上しています。

これを
どのように乗り切るべきかどうか
資料を作ってもらいたいのです。」と
真剣に
言ったのです。

合併の話を始めて聞く
敬子は
そのことの方が
びっくりでした。

残りの
ふたりは
何も話しませんでしたが
ことの重大さは
その目に現れていました。