元十詩子の部屋の 品々を 敬子に見せました。 ブランド品はないし 相当使い古したものが 多かったようです。 丁寧に 扱っていたので 長持ちしていると 敬子は 感想を述べました。 宝飾品も 十詩子の持っていたものは イミテーションが 多いように 敬子の目には 思いました。 体型が同じなのに 敬子のシンボルとなっている フレアスカートと ピンクのカーディガンを 形見分けで もらって帰りました。 いろんな事を話して 遺品は 売ることになりました。 写真を撮って インターネットに出したり 買い取り店に持っていったりして 1か月の間に 大方のものは なくなってしまいました。 クリスマスの日に 十詩子が プロポーズした日に 着ていた 服とコートです。 十詩子らしい フェミニンな感じの服で ピンクペールでした。 その服だけが クローゼットの中に 淋しくかかっていました。 十詩子が なくなったことを 誇張しているように 思えたのですが 全部なくすと もっと淋しいと 思ったのです。