毎日 毎日 毎食 毎食 毎時間 毎時間 毎分 毎分 十詩子のことを 思いつつ 時間が過ぎていきます。 亡くなってから 2年が過ぎ 創は 就職して 東京に 転勤になって 行ってしまいました。 折に触れて 帰ってきますが 悟は ひとり暮らしになって しまいました。 26歳から 58歳まで ひとり暮らしを していたのですから 生活には 困りません。 ひとりで過ごせる 能力が ありました。 そんな中 一通の手紙が やって来ました。 京都に本店のある 信用金庫からの 手紙です。 悟が 三十数年前 自宅を 区画整理事業で 売却したときの 代金を 貯金していた信用金庫です。 ペイオフで たくさんの銀行に 預金を 分散させていたので いろんな銀行から やって来る 手紙のひとつです。 悟は いつもは 一様開けて 見るのですが その日は 同窓会の手紙に 関心があって 手紙を入れる 箱の中に 入れてしまいました。