会話は続きます。
あずさ:
「私の勤めている店には
残念だけど
破れジーンズは売ってないわ。
店のものを着ると言うことに
なっているので
着たこともないの。
一度着てみたいわ
破れていると
寒いの?」
次郎:
「初めのうちは
そんなことはないが
ここまで
破れが進むと
夏は良いけど
冬は困るよね。
そんな
履きこんだ
ジーンズも
少し値打ちがあるように思うんだけど
そんな風に見える?」
あずさ:
「見える
見える
新しいのに
破れているより
古くなっている方が
価値があるよね。」
次郎:
「無理して言ってない?」
あずさ:
「そんなことないよー
服は全体の調和だから
茶髪に
そのティシャツ
そのズボンと靴
のコンビネーションが
良いと思うの。
よくコーディネートされているわ。」
次郎:
「ありがとう
やっぱり無理しているんじゃない。
、、、、」
(ふたりは顔を見合わせながら
段々と夜が白みかけてきた外に
目をうつします。)
あずさ:
「大分明るくなってきたね。
こちらは
西側かな」
次郎:
「そうかもしれないね
六甲が見えるもの」
あずさ:
「私の家はあの辺りかな。
そういえば見えるような気がする。」
次郎:
「えー、
どこどこ」
あずさ:
「うそーだよ。
アパートの近くからは
こちらのビルは見えるけど
こちらから見えるわけないでしょ」
次郎:
「そうだよね。
でどこら辺なの?」
(指を指しながら)
あずさ:
「あの辺りかな。」
次郎:
「でも見えるような気がするなー
どんなアパートなの」
あずさ:
「ほー 神通力か、
私のアパートは
藻川の川のそばにあって
六甲がよく見える部屋なんです。
夏の夕日が
六甲の山の上に沈むときの
夕焼けはすばらしいよ。
それから私のアパートには
ロフトがあるの。
便利なんだよ」
次郎:
「日本海に沈む
夕日もきれいだけど
部屋から見える夕日って
ちょっと贅沢かも。
ところで
ロフトって何なの?
お店の名前じゃないでしょ」
あずさ:
「ロフトはね
お部屋の上にもう一つのお部屋があるの
屋根裏部屋かな。
でも天窓があるし
天井も高いので
快適なんだよ。」
次郎:
「あーそうか
テレビで見たことがある
上にのぼるの大変じゃないの?」