ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 10話

その時の十詩子の
いでたちは
白に大きめの赤の水玉模様の
ワンピースに
赤のハイヒールです。
髪の毛は
もちろん染めていなくて
黒い髪を
お下げにしていました。
白いハンドバッグが
とっても清楚な感じで
悟は
昼間の日光の下で見た十詩子に
少し心を奪われました。

かたや悟は
当時の大学生がそうであるように
白のワイシャツに
薄いベージュの
ブレザーを着ていました。
開襟で
髪がぼさぼさのところが
十詩子には
頼もしく思いました。

ふたりは待合室で
改めて
自己紹介になりました。

悟:
僕は悟と言うんだ。
○○大学の2年生なんだ
大学に行っているんだが
経理の勉強もしたくて
専門学校にも行っています。
畑違いだから
少し難しいよ

十詩子:
そうなんですか
私は十詩子
今年の春
豊岡から出てきました。
この近くの工場の経理課に勤めています。
社命で専門学校に行っています。
簿記の試験に通ると
資格手当が付いて
給料が少し増えるの
がんばっています。
実家に少しでも
仕送りがしたいので、、

悟:
十詩子さんは親孝行なんですね
僕なんか親のすねばかりかじっていて
十詩子さんには
頭が上がらないなー

十詩子:
別に私が学費を出しているんじゃないので
私に言わなくてもいいと思いますよ。
あなたも
勉強にがんばってるんじゃないんですか。

悟:
そう言われると
恐縮しますよ
勉強はがんばっていやっているつもりだけど
あまり成果が上がらなくて
私の母が
後悔しないように
がんばるように
と言われているし

十詩子:
後悔しないようにって言われたの
私と同じですね
親の考える事は
同じね

悟:
当面の課題をクリアするために
がんばりましょう。

十詩子:
そうですね
じゃ
中央図書館に行きましょう。
本を借りに
前行ったことあるの

悟:
僕も行ったことあるよ

と言って
ふたりは
駅舎から出て
自転車で
駅の前の道を
まっすぐ南に向かいました。