美智恵は昭和45年1970年に 大阪の泉北に長女として生まれました。 ふたり兄弟で 下も女の子だったので 美智恵は 小さい時から 養子をもらって 家を継ぐということが みんなの暗黙の事柄でした。 もちろん美智恵も そう思っていました。 美智恵が育った家は 何代も続いた名家だったのです。 明治時代には 大地主で 昭和の初めから 織物の工場を そして織物が構造不況になってから 不動産業で 順風満杯の 経営でした。 美智恵は 幼稚園の時から 近くのお嬢様が行く 学校に通っていて 小中高と 女子校でした。 大学も 女子大学に行くのだと思っていたのですが、 父親が 「この先に何があるか分からないから 困った時に役に立つように 手に職を付けておいたほうがよいので 薬剤師にでもなったら」という一言で 近くの薬学部に行きました。 その薬学部は 当時では珍しい共学だったので 美智恵は始めて男子と机を並べて 勉強することになります。 美智恵は 憧れる男性も無く そのようなことも無縁で 育ってきたのです。 そういうと 美智恵が何もせずに 大きくなってきたということではありません。
