夕方 莉子が 家に帰ると 扉の前で 妖精が待っていました。 妖精: お帰りなさい 莉子: 洋子さんって言いましたよね 私にどのような 御用事ですか。 妖精: 私は あなたを美しくするために やってきました。 莉子: えー 何なんですか 莉子は 不審な目で 妖精を見ました。 妖精: 話せば長くなるんですが 私は 洋子ではなくて 妖精なんです。 莉子はますます 不審な目で 妖精を見ました。 そして 後ずさりをしながら 妖精から 離れようとしました。 妖精: 私は 不審な者ではありません。 流れ星の妖精なんです。 あなたが 流れ星を見て 「きれい」と 言ったので 私はあなたを 美しくしなければならないのです。 莉子: 何かあなたの話は 要領がつかめません。 何かひと間違いをしておられるんじゃないですか 第一 不審者が私は不審者とは言いませんよね
妖精: あなたは昨晩 流れ星を見て 「きれい」と 言ったでしょう。 莉子: うー 言ったような気がしますが それは流れ星が きれいといったんですよ。 妖精; そうなんですか あなたは綺麗になりたくないんですか 莉子: なりたいとは思うけど それは 出来ないでしょう。 妖精: それをするために私が来たのです。 莉子: なんかの宗教の勧誘ですか 私間に合っていますから 妖精: 私は宗教の勧誘ではありません。 何度も言いますが 私は 妖精です。 私を信じてください。 莉子: そんなの信じられません。 妖精: 私が 何か魔法を使いましょう そしたら信じてくれますか。 莉子: どんな魔法ですか 妖精: 其れではあそこの木を 輝かしてみます。 そういって 妖精は杖を出して さっと一振りしました。 そうすると 木が クリスマスツリーのように パーと輝きました。 莉子: おー輝きましたね どんな仕掛けですか 前もって 何かしておいたでしょう。