ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その14

私たちは
火星への軌道を
ずれてしまったのです。

それをサリナさんに話すと
サリナさんは
すごく楽観的で
「じゃずれを直せば良いんじゃないの」と
言ってのけたのです。

しかしこのずれを修正するには
多くの燃料が要ります。
この燃料を使ってしまうと
地球へ帰る燃料が
明らかに足りません。

そう簡単には
使えないのです。

軌道上に
何か衛星でもあれば
それを使って
軌道を修正するのですが
私たちの宇宙船の
軌道上には
計算上は
何もないのです。

私ももちろん考え込みましたが
地球の管制センターや
お茶の湯博士は
ありとあらゆる事を
考えていました。

数日が
過ぎて
お茶の湯博士は
太陽風を
利用して
軌道を修正する
方法を提示してきました。

その方法は
宇宙船の
外に張り出して
取り付けてある
太陽電池を
帆船の帆のようにして
太陽風を
それに当て
軌道を徐々に
修正するという方法です。

今ついている太陽電池パネルでは
面積が狭いので
太陽電池パネルの間に
あり合わせの
シートを貼って
たくさんの太陽風を
受けるようにしなければならないのです。

そのために
私は
宇宙遊泳を伴う
船外活動をしなければならなくなりました。


地球の水槽で
無重力に近い状態で
訓練をしてましたが
初めての船外活動が
こんなに大変だとは
思いませんでした。