ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その13

サリナさんの持ち込んだ
荷物の重さが
よくわからなかったので
加速度などのデータを頼りに
燃料の噴射時間を
計算していたのです。

しかしそれが
違っていて
その上
セットした量よりも
多くを噴射してしまったのです。

後になってわかった事ですが
サリナさんが
少しでも火星に早くつきたと願って
噴射量を
多くしたのです。

この二重の
ミスというか
間違いによって
探査機は
月の重力圏に
突入していったのです。

それに気が付いたのは
その日の予定を終えて
寝ようかとしていたときでした。

お茶の湯博士から
至急の無線が入ったのです。

私は驚いて
操縦席に戻りました。

計器を見ると
月までの距離が
どんどん近くなってくるのです
このまま行けば
確実にぶつかります。

急ぎ
地球の管制センターが計算して
待避の
角度と噴射量・紛失時間を
計算してきました。

私はセットしたのは
間一髪でした
窓から月が迫ってくる様子が見られました。

月の地表すれすれを
通って
難を逃れたように見えたのですが
そうではなかったのです。

月の重力圏から脱出できたのですが
大きく曲がりすぎて
このまま飛行しても
火星の軌道と
交差する事がなく
宇宙を漂流する事になってしまったのです。