剣は エリーを 励ましました。 エリーは この時 剣を 頼もしいと 感じました。 しばらくして 消防隊が到着すると 手際よく 完全装備で 崖を下りていきました。 下の方から 声がして 引き揚げ始めました。 ふたりの消防隊員は 子供と エリーを 抱いて 上がってきました。 飼い主は 子供を抱え込み エリーの頭を 撫でました。 母親もやってきて エリーと 子供は ふたりに抱かれて 家に帰りました。 剣は もちろん 誰の力も借りずに 家に帰ります。 家に帰った エリーは 剣が 前を通らないか 待っていました。 憧れるようになったのです。 毎日 ちらっと 見える 剣が 嬉しかったのです。 あれから 1ヶ月ばかり経った 冬の寒い日に 大きな揺れが 感じられました。 エリーの家は 新築で 丈夫だったのか それとも 良い地盤のところに建っていたためか ビンが少し倒れる程度でしたが 窓から見える 神戸の街は しばらくして 煙が立ち巡ります。 よくみると 炎も見え 飼い主の子供の小学校は 避難所となっていて 朝連絡網で 休校との 通知がありました。 飼い主は 忙しく 出かけていきました。 母親は 心配そうな顔でした。 エリーには その日 剣が前を通らないのが 心配でした。