ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 その9

二月の今頃は
冬枯れの季節ですが
麦の
若葉が
田んぼを覆っていました。

大人になった
私が
もっと細かく
景色を説明すれば
窓のすぐ近くは
私の家の
畑で
今頃は
白菜を作っていました。

その畑の
右の角には
先の大戦で
戦死された
兵隊さんの墓があります。

この話の
五年前までは
その墓の
西側には
この村の墓が多数あったのですが
この墓以外は
新たに作った
墓地に
移転したのです。

あまりにも大きく
重いこのお墓だけが
残されたのです。

畑とお墓の向こうには
小川があって
その小川は
私の家のそばから流れていきます。

小川の向こうは
ズーッと
田んぼが
整然と流れています。

窓の右側
つまり東側は
100Mほど行くと
藻川の堤防になっています。

窓から見える
一番近い
家は
700m先に見える
平屋建ての
長屋です。

当時は
目も良く
空気も澄んでいましたので
よく見えました。

その長屋は
戦前までは
隔離病棟
(たぶん
法定伝染病の
赤痢とか)
だったのですが
戦後は
引き揚げ者住宅となっていました。

戦争で
海外から
引き揚げて
家のない方々が
お住まいみたいだった様です。

小学生時代
友達がいて
行ったことがあります。

北側の入り口を入ると
狭い土間に流しがあって
その向こうに
六畳の部屋と
押入があって
南に
おおきな窓がある
構造の
長屋が
二棟ありました。

便所は
もちろん
外の共同便所でした。

六畳一間に
四人すんでいました。

私の家の窓から
洗濯物が
はっきり見えました。