笑顔で 会社をあとにはしましたが 心の中は 半泣きの状態です。 口頭試問には 的確に答えられなかったし 笑顔のアイコンタクトも そのため 顔が引きつっていたように 薫子には 思えたからです。 しかし 結果は 内定です。 12月に 内定をもらいました。 「良かった」と 薫子は 心の中から 思いました。 高校出たら OLになって それから 結婚という 薫子の 夢に 近づいたと 思ったのです。 薫子の 通っている 高校には 3学期の 始業式は 作法クラブの 琴の演奏会が 恒例としてありました。 3年生になると 作法クラブは 一応退部と言うことになるのですが この年の 作法クラブの面々は 退部しません。 薫子は 内定をもらって 進路はもう決まっています。 陽一君も 12月に 大学に合格していました。 美奈子さんは 大学受験を控えていて そんな事ができない立場ですが お琴を 弾きたいと言うことで 参加していたのです。 薫子は 「さすが 学年一の 秀才だから 余裕の 美奈子さん」と 思っていました。 でも それは 違っていたのです。