ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その7

冬場の農作業は
麦の世話です。

麦踏みです。

農作業の中では
楽な方ですが
寒風すさぶ
寒い日に
見渡す限りの
麦畑を
踏んで回るのは
苦です。

しっかり踏まないと
父親に
にらまれます。

収穫を少しでも
増やす目的です。

麦の株が
増えて
麦の穂が多く付くのです。

夏の農仕事に比べれば
汗はほとんどなく
かがむ仕事でもないので
腰も痛くないし
手を使うこともないので
あかぎれが
痛むこともないし
亀太郎は
そう思いました。

起きている間は
仕事です。


休みの日はもちろん
くつろぎの時間など
あるわけもありませんでした。

冬場は
日の出も遅く
日の入りも早いので
全体の仕事量は
少なくてすみます。

唯一の
やすらぎの時間である
寝る時間が増えるのです。

冬は
寒いけど
お布団の中は
暖かくて
気持ちよくて
うつらうつら
しながら
考えていました。

考えることは
仕事のことです。