ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その29

他の宗派の人からは
『門徒もの知らず』と言われていましたが
清左衛門らは
『門徒もの入らず』と言っていました。

何ごとにも
お金をかけない
門徒の精神は
小作人には
もってこいだと思っていました。

盆だと言うことも
知らずに
働く
亀太郎には
そんなことはわかりませんでしたが
盆の頃には
仕事が
一段落する上
暑さも
少しは和らぎ
吹く風も涼しく感じることがありました。

そんな穏やかな時期が
ズーと続くことを
農民なら
誰もが願っていました。

稲が
花が咲く頃になってきました。

二百十日
二百二十日の頃は
稲にとっては
大事な時期になります。

毎年とは言いませんが
年によっては
大風や
大雨があるのです。

今のように
台風の予想など
全くない頃です。

江戸時代は
文献には
「颶風(ぐふう)」と呼ばれていた
台風に心配していたのです。

清左衛門らは
野分(のわき)と呼んでいました。

大きな風は
稲が倒れて
花が咲いた頃なら
全滅です。

実が充分に大きくなった頃でも
稲が倒れて
収穫に
支障が来します。

大雨が降ると
武庫川や枝川が
氾濫すると
決壊した堤防付近の
田んぼの収穫は
全くなくなってしまいます。