ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その35

俵に入れた
玄米は
ワラ縄で
ぐるぐる巻にします。

コクゾウムシが付かないように
強く縛るのです。

そんなことしか
対抗手段がないことが
その縛る最大の
原因です。

現在のお米に
コクゾウムシが
混ざっていないので
知らないと思いますが
夏場
倉庫に仕舞ってある
俵から
ザァーザァーという音が
聞こえるのです。

屈強の若者が
俵を締めたからと言って
小さな
コクゾウムシがなくなるとは
おおよそ
考えられません。

大正時代になると
鉄でできた
テコの原理で
もっともっと強く
締める
俵締め器が
出るのですが
江戸時代のこの頃は
汗を出して
せっせと
締めるのでした。

俵に入れられた
お米が
倉庫に並びました。

地主から
年貢の量が
知らされたのです。

取れ高に合わせて
年貢の量が
決まります。

代官所の役人や
地主の番頭が
出来高を
算段していたのです。