ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その80

蚊帳は
寒冷紗と呼ばれる
麻や綿で
目を大きく平織りした生地で
作ります。

何分
水飲み百姓の身分では
お高いものです。

夏の貴重品と
いった方が良いでしょう。

亀太郎は
小さい時から
蚊帳の取扱には
大事にするように
父母から
厳命されていました。

蚊帳を
踏むことなど
絶対にしては
いけないことになっています

蚊帳は
朝起きたら
畳むことになります。

蚊帳は
立体的になっていますので
畳み方が
あります。

亀太郎は
知りませんが
新品の
蚊帳は
糊がきいていて
シャキッとしています。

だからといって
良いかというと
そうではありません。

シャキッとしているために
床と
沿わないのです。

そう言うと
古い方が良いと言うことに
なるのですが
それには
限度というものがあります。

蚊帳は
普通は
洗えませんので
何十年も
使っていると
どんなに
大切に使っていても
傷んできて
その上
臭いがします。

蚊帳の古い臭いです。

どんな臭いかというと
言葉にはできませんが
カビ臭です。