ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その6

大人の目には
子供は
すぐに大きくなるものです。

でも
子供にとっては
時間が過ぎるのが
ゆっくりです。

順子は
早く大人になって
父母を
助けたい
社会のために
働きたいと
思っていました。

子供は
仕事もできないし
たいした
役に立つことも
できない
そのうえ
クラスメートの
いわれのない
いじめもあって
早く大人になりたいと
思っていたのです。

時間は
ゆっくり
順子に流れます。

そんな時
おじいさんに
たずねました。

「おじいさんは
子供の時は
早く時間が過ぎて欲しいと
思いませんでしたか。

子供の時は
何も役にも立てず
みんなの世話になっているだけのように
思うのですが
どうなんでしょうか。」と
言いました。

おじいさんは
日頃から
順子を見ていて
そんな風に思っていると
考えていましたので
答を
用意していました。

「順子は
他の子供とは違って
ものすごく賢いから
学校の勉強なんかは
1年も経たないうちに
会得するに違いないでしょう。

しかし
親が子供に願っていることは
子供が役に立つとか
いう以前に
家族全員が
子供の
成長を
楽しんでいるのです。

おじいさんも
そうですが
一日一日
順子が
大きくなっていくことが
楽しいのです。

パッパッと
大きくなってしまったら
楽しみがなくなってしまうでしょう。

それに
順子も
子供の時は
たった十数年しかない

順子は
もう十歳だから
あと
数年で
大人になってしまいます。

子供の時は
二度と来ません。

もっと楽しんで
それから
家族のみんなを
喜ばせて
すごしたらどうかな。

賢い
順子なら
わかるでしょう」と
答えたのです。

順子は
そうかもしれないと
思いました。