ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「ふたりで行くよ」その11

まず
正弥から話は始まります。

正弥の
父親は
商社に勤めていて
それなりの職にありました。

神戸の一等地
北野に
戸建てを買って
住んでいました。

もちろんローンです。

母親は
同じ会社に
勤めていた
女性ですが
正弥が
生まれるのを機に
会社を辞めて
専業主婦となりました。

正弥が生まれた頃は
バブルの時期で
父親の
会社の業績は
極めてよく
それで
正弥も
子供なりに
贅沢をしたらしいのですが
正弥には
記憶がありません。

オーストラリアや
ハワイに行ったり
東京ディズニーランドに行ったり
したらしいのですが
写真だけの記憶です。

小学校に行く頃になると
父親の
会社は
財テクの失敗から
残念ながら
倒産してしまうのです。

高収入を
あてにして
蓄えがなかったので
ローンは
すぐに
払えなくなりました。

そこで
両親は
持ち家を
売却して
借金を精算し
近くの
貸し家に移ることにしました。