ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「ふたりで行くよ」 その10

時間は
過ぎて
今から
30年前(1986年)
になります。

バブル期の頃です。

普通の
サラリーマンの家に
正弥が
3年遅れて
散髪屋の子供として
千香が
生まれてきました。

正弥は神戸
千香は京都の亀岡に
に生を受けたので
簡単には
ふたりは
出会うことはありません。

前置きが
あまりにも長くなりましたが
今後
この物語は
ふたりの間を
行ったり来たりします。

出会って
相手を
同じように
慈しむようになるまでに
時間を要してしまいます。

ついでと言ったら
何ですが
この物語では
夫婦の
終局の
関係は
慈悲だと思います。

愛は
仏教用語では
愛欲の愛で
動物が持っている
本能の愛です。

いわゆる
人間愛とか
人類愛とか
長年連れ添った
夫婦の愛は
慈悲と言います。

慈しむことなんです。

弥七とお千代の
互いの思いは
それは
慈悲だったんです。

愛欲から
遠く
高く
崇高な
慈悲に
なっていたのです。