順子は 未来から 戻ってきたことを 立証しなければならなくなりました。 そうしないと 野村は 順子の言葉を 信じないのです。 信じないと 野村は手遅れになって 胃がんで死んでしまう と言うことになるのです。 未来から帰ってきたことを 証明するには どうすればいいか すぐにはわかりませんでした。 順子は しばらくの間 考えました。 野村は ゆっくりと 新聞を読んで 順子の 話に付き合っていました。 しばらく経って 順子は 未来に起こったことを 言い当てれば 野村を信じさせることができることに 気がつきました。 何かないか 考えました。 「あっ」 と気がつきました。 「上の子供が 幼稚園に行った年 そうだ 長女の友達の お兄ちゃんが ディ○ニーラ○ド に行った帰り 飛行機事故で なくなってしまうという 痛ましいことが起こったわ」 そうだこれを話せばいいのだと考えました。 順子: 私が 未来から戻ってきたと言う証拠に もうすぐ飛行機事故が起こることを 予言するわ 野村: それは物騒な話だね いつ起きるの もし本当に起こるなら 止める方法あるんじゃないかな どんな事故なの 順子: 今年の8月の下旬に 羽田発の飛行機が 事故にあって 山の上に墜落するの 墜落現場が なかなか見つからないものだから 大変なの やっと見つけると 生存者が数人助かるの 原因は 確か 加圧壁の修理が間違っていたために 耐えきれず尾翼がなくなって 操縦不能になったのよ。 野村: それは正確には 何日の 何便かな 順子: ごめんなさい それは忘れてしまったわ ダメな私ね ごめんなさい そうだわ 有名な歌手も乗っていて 亡くなるのよ 野村: 大変な話だね でも 正確な便名がわからないと 防ぎようがないな 本当に起こるの 順子: たぶん 同じだったら 起こるわ 未然に防げたらいいのにね 野村: それで 順子の話が本当だとして なんで そんなことを話すの 順子: そうよね それはね あのね 順子は 野村が 癌で死んでしまうことを 言わなければならなくなりました。 野村との会話は続きます。 作中 日航飛行機事故を題材に使っております。 亡くなられた方のご冥福をお祈りしております。