ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「突然30年前に戻った順子の場合」その66

「今日は
楽しかったわ」と
順子が言うと
海老沢君は
真顔になって
「じゅんこさん
僕と
付き合って下さい」と
言ったのです。

相当
大きな声で
しっかりとした口調でした。

順子は
雷に
打たれたような
驚きです。

しばらく
沈黙になって
それから
「私は
人妻です。

海老沢君とは
面白い方だけど
できるわけはありません。」と
か細い声で
伝えました。

順子は
店を出て
家路に向かいました。

道を相当歩いて
曲がり来たとき
順子は
すこしだけ
振り返ると
小さくなって
海老沢君が
まだこちらを見て
立っていました。

軽く会釈して
その場を後にしました。

前の世界では
こんなことはなかったのに
と思いながら
どうしようと
考えていました。

前の世界では
海老沢君と話していて
「彼女いないの」と
冗談で言うと
「いい人紹介して下さい」と
真剣にいうので
長女を
紹介したのです。

それで
長女と結婚して
海老沢君は
義理の息子になって
幸せに
近所で
暮らしているのですが
今の世界では
こんな
ことになるとは
どういうことかと
思いました。

こんなこと
誰にも相談できないし
夜も眠られませんでした。