ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「大切な彼女は突然に」その51

翌日は
大学の入学式で
由美子の母親も
出席することになっていました。

上羽も
「行きたい」と
言ったのですが
由美子が
でないで欲しいと
言ったのです。

残念に思ったけど
由美子の
保護者でもないので
諦めて
会社に行くことにしました。

上羽が先に
家を出たので
由美子は
外に出て
見送りました。

時間が来たので
母親との待ち合わせの
駅に向かうため
自転車に乗って
出発です。

マンションから
東の方にむかって
進み
少し大きな道路に出ると
左に曲がります。

信号の所を
渡って
露地に入ります。

しばらくすすむと
県道に出ます。

県道をまっすぐ進むと
駅になります。

県道が
緩やかに曲がっていて
県道に出るところは
南から走ってくる車は
出口が見えません。

由美子は
それがわかっているので
左右を確認して
路側帯に
沿って
出ました。

ゆっくりと
自転車をこいで
すすんでいると
後ろに大きな音がして
衝撃を
感じました。

由美子は
大きな力で
前に
投げ飛ばされました。

投げ飛ばされた
由美子は
コンクリートの橋桁に
衝突しました。

衝撃を感じた後
由美子は
意識を失いました。

後ろから
黒い
軽自動車が
衝突したのです。

衝突後
運転手は
ブレーキを踏みましたが
自転車を巻き込んで
止まるまで
30m近く要しました。

止まった時に
絡みついた
自動車が
はずれて
そのまま
自動車は
急発進して
由美子を置いて
走り去りました。

黒い自動車の
後ろを走っていた
宅配業者の車は
クラクションを
長く鳴らしたが
止まりませんでした。

すぐに
ナンバーを
メモに控えて
自動車を降りました。

対向車の自動車の
運転手も
降りてきていたので
警察と消防署に
分担して
通報しました。

由美子は
普通は
出来ないような
形で
道路の端に
横たわっていました。

宅配業者は
由美子に触れようとしましたが
後からやって来た人が
「触らないで」と
言ったので
そのままにしておきました。

周りに
人が
増えてきて
時間が過ぎていきました。
2分ほど経つと
まず
パトカーが
サイレンを鳴らして
やって来て
制服の警官が
たくさん
降りて走って
やって来ました。

手際よく
交通整理をして
救急車を待ちました。

その間に
宅配業者に
事情聴取していました。

それから
1分
救急車がやって来て
救急隊員が
担架を持って
走ってきました。

救急隊員は
由美子を確認して
「CPA(心肺停止)」と叫びました。