ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「妖精の休日」その11

湖子は
月日が過ぎて
お誕生日になりました。

お誕生日が来たとしても
何も儀式がありません。

寒村の
貧農の家には
そのような習慣はありませんでした。

湖子は
月日が過ぎても
普通の赤ちゃんのように
大きくなりませんでした。

大きく重くなると
弥生が
大変なので
なるべく大きくならないようにしてました。

家族が
それを心配しているのを
湖子は感じて
少し焦ったこともありました。

誕生日が
過ぎた頃から
段々と話すようにしました。

だからといって
スラスラと会話しては
問題なので
単語から
はじめました。

弥生が喜ぶように
「おかー」と
言ってみました。

そしたら
弥生は大喜びして
家族に知らせていました。

そしたら
父親やおじいさんおばあさん叔母さんが現れて
大騒ぎです。

この際だから
みんなを呼んだら
家族中が
大騒ぎになってしまいました。

湖子は
覚めた目と
熱い目で見る事ができます。

覚めた目で見ると
「何で大騒ぎ
人間って少しおバカ

とても
神さまの複製とは
思えないわ」と
熱い目で見ると
「人間って
いつも熱く生きているんだな

少しは
見習った方が
いいかもしれない」と
見えました。

人間で言えば
理性的な女性である湖子は
人間の赤ちゃんを体験して
そんなことを思いました。