あまりの変わりように 近所の人にも びっくりされてしまいました。 食欲が出てきたので うんとこさ 食べました。 和己も いろんなものを 山ほど作って 食卓に出しました。 最初の内は 食べるのもままならぬ 体力ですが 段々と 食事は出来るようになって 2週間で 8kgも太ってしまって 前に戻りました。 頭の毛は 戻りませんでしたが そんな事は どうでもよかったのです。 命が 続くのが 不思議に思いました。 あの時は 死んだ方が良いと思っていたのに 今は 死ななくて良かったと思ったのです。 和己にも会えるし 弥生にも会えるし 美味しいご飯も食べられるし 生きている方が 楽しいと 思うようにしました。 でもいつかは 死ぬのだから 死ぬほどの苦しみが また来るのかと思うと 考え込んでしまっていました。 何回かの 経過観察が無事に過ぎ もう大丈夫になって 死ぬことについて 考えなくなった頃 和己のお父さんが ちょっとした病気になります。