ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「ロフトで勉強しましょ」結婚編その105

介護ため
建築相談員を
辞めていたので
悟は
何もすることなしに
家にいました。

一日中
六甲を見て
過ごす毎日です。

食事は
創が
作ったり
悟が作ったりしていました。

季節は
もう夏になっていました。

悟は
62歳になっていました。

十詩子の
過去帳には
享年
62歳と書かれていました。

過去帳には
数え歳で
数えるので
同じ歳になってしまいました。

いつも
一歳年下で
過ごしてきたのに
いきなり
追いつくなんて
そんな事もあるのかと
悟は思いました。

悟の仏壇には
悟の父親
母親
そして
十詩子の名前が
書かれていました。

母親が
亡くなってから
久しくなっていたので
お寺の住職さんとは
疎遠になっていました。

十詩子が
入院してから
悟は
ご仏壇に
正信偈(しょうしんげ)を
唱えるようになりました。

亡くなった母が
毎朝唱えていたので
それにならったのです。

仏様は
自分たちの願いを
現世では
かなえて下さらないと
思っていたのですが
それしかなかったのです。

亡くなったあとも
朝に礼拝
夕べに感謝の心で
唱えていました。