ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

アスカルの童話 犬猿の仲

アスカルの童話 犬猿の仲

昔々ある所に、おじいさんがいました。
おじいさんは、田んぼを耕し
畑で野菜を作り
柿を作っていました。
実りの秋が来ると
山から たぬき・いのしし・しか・サルが降りてきて
おじいさんは、食べられないように
毎日戦争のようでした。
それで、おじいさんは、犬を飼い始めました。
犬の名前は、アスカルと名づけました。
アスカルは、その年の秋から大活躍し
おじいさんは、家にいても
山からの動物を追い払ってくれました。

 

ある春の のどかな昼下がり
アスカルは、おじいさんの家の庭で
日向ぼっこをしながら
ゆっくりと寝ていました。
今は、田んぼや畑に何もないので
アスカルの仕事は、全くありません。
アスカルは、目を閉じていましたが
何か山から下りて来た気配を感じました。
しかし何も 盗られるものがない今
「わざわざ威嚇する必要もない」
それでじっと寝ていました。
その動物は、じょじょに家に近づいてきました
アスカルは、片目を少し開け
その動物を見てみました。
まだ子供のサルのように見えました。
「まだ若いサルだな。
もう少し様子をみよう」
と心の中でつぶやきました
しかしゆっくりですが
サルは、近づいてきます。
アスカルは、気配からもう威嚇したほうが
良い距離になってたのではと思いました。
それで威嚇しようと立ち上がろうと思いましたが
長いあいだ 丸々で寝ていたので
すぐに立ち上がれません
そのほんの瞬間に
サルは、アスカルの眼前までやってきたのです。
アスカルが立ち上がろうと
目を開けたそのとき
もうその顔の前に
サルがいたのです
アスカルは、びっくりしました。
牙をむいて威嚇するのを忘れてしまいました。
サルをまぢか見ると
なんと可愛いことでしょう
それに子ザルならなおさらです。
アスカルは、立ち上がろうとするのを
やめました。
アスカルは、横になってあくびをしながら
伸びをしました。
子ザルは、アスカルに横で
日向ぼっこをしたり
おじいさんの家の庭に置いてある
車や桶などで遊んだり
時には、アスカルの背中を
ノミトリをしたりした後
いつの間にか山に帰って行きました。

そんなことが初夏にかけて何度かあった後
子ザルは、もうこなくなりました。

暑い夏が過ぎ
実りの秋が来て
アスカルの仕事が始まりました。
田んぼや畑に今年は、たくさん実り
山から下りてくる動物も
本当に多い日々でした。
サツマイモを盗りに来たイノシシと
大格闘し追い払ったものの
腹にイノシシの牙が当たり
けがをしたことがあります。

秋も終わりになり
アスカルが守らなければならないものは、
もう庭の柿だけになっていました。
おじいさんのこの柿は、
とても甘く
町で売ってその年を越していました。
柿を取りにくるのは、
木に登ることができる
サルです。
その年のサルは、
群れで
波状的に柿に襲い掛かりました。
昨年よりその数と時間は、長く
アスカルは、3本の
柿の木の周りを回って追い払っていました。
サルを木に登らせると
アスカルの負けになるので
アスカルは、もうへとへとになるまで
走っていました。
それを見たおじいさんは、
「早く収穫したほうがよさそうだ」
と考え2本の柿を全部収穫し
町に売りに行きました。
その日もサルは来襲し
まえにもましての勢いです。
柿の木が一本になっていたので何とかアスカルは、
守れたくらいです。

翌日まだ日も明けきらぬうちに
山から何かが下りて来た気配を感じたアスカルは、
柿木に向かいました。
一匹だけサルが降りてきたのです。
「今日は、一匹だけ
まだ若いサルだな。
あのサル見覚えがあるぞ。
もしかして春に来た子ザルではないだろうか。
子ザルだったとしても
おじいさんが大事にしているこの柿を
渡すわけには、いかないぞ」
と考えました。
若いサルは、ゆっくりと柿木に近づきました。
アスカルは、もう威嚇しなければならない距離になったので
牙をむいて
「これ以上近づくな
さもないと容赦しないぞ」と吠えました。
若いサルは、
「私の話を聞いてください。
これ以上近づきませんから。
私の母は、病気に。なってしまいました。
とても重病です。
群れの長老は、
『明日をも知れぬ重病だ。
しかし今は柿が熟れる時期
柿を食べればきっとよくなる。』
と言ったのです。
それを聞いた群れのボスが
群れ全員を動員して
柿を盗りに来たのです。
アスカルさんごめんなさい。
しかしボスは、私に
『まことに悪いが
あの犬は俊敏でとても
われわれの力では、
柿を取ることができない。
すでに3匹のサルがケガをした。
柿は、もうあきらめてほしい』
と今朝私の母のところに
いいに来たのです。
しかし母は、息も絶え絶えです。
母にもしものことがあったら
私は、生きていく甲斐がない。
アスカルさん!
私に柿を下さるか、
それとも私の命を奪うかどちらかにしてください。」
と言ってゆっくりと柿に近づいてきました。
これを聞いたアスカルは、
「牙をむいて脅かしても無理だ
このサルは、本気で
柿のために命を捨てる覚悟に違いない。
しかし私は、犬でおじいさん飼われている。
飼い主に忠を、尽くすのが犬の役目
しかし母を思うこのサルとの友情は、、、、」
アスカルは、なおいっそう牙をむき
飛びかからんとする姿勢をとりながら
まったく動かなかった。
サルは、ますます近づいてくる。
アスカルは、どうすればいいのだろうか。

その頃おじいさんは、
庭でただならぬ騒ぎを感じ
近づいてきていたのです。
おじいさんは、サルとアスカルが
激しく鳴いているのをみて
理由は、よくわからなかったけど
おじいさんは、柿の木から
よく熟れた柿を2個
そのサルに投げた。

アスカルは、柿が投げられるまで
まったくおじいさんの
気配を感じなかった。
しかし柿が投げられたことで
アスカルは、全身の力が抜けてしまい
へたり込んでしまった。

一方サルは、両手で一個ずつ
柿を持って山に帰っていきました。
山に入る時少しだけアスカルのほうを振り返り
「アスカルありがとう」
と言ったように見えました。

おじいさんは、サルを見送った後
アスカルの頭をなぜました。

すがすがしい朝でした。