翌日は 和巳はもう元気いっぱいです。 同僚も 和巳のその豹変ぶりに 違和感を覚えていました。 5時になると 早々に退社し 近くの百貨店の 化粧品コーナーで 化粧をしてもらうことにしました。 和巳は 普段は あまり化粧はしません。 そのため 効果的な変身方法を 知らなかったのです。 でも 念入りに美容部員に してもらったら 変身しすぎて 和巳は 少し違和感を覚えました。 「こんなに変わったら 会ったときにわからないかも知れない。 やっぱり 程々の方が いいのではないか」 と思ったのです。 それで美容部員に 少しにするように頼みました。 美容部員は変に思いましたが 和巳の気に入るように してみました。 バッチし決めた 和巳は ヘアスタイルも その場で教えてもらい 盤石の備えです。 服も 会社の更衣室で 着替え 靴も 少し高めのものに履き替えました。 7時の 待ち合わせの 「阪急大阪梅田駅のビッグマン前」 に10分前に着きました。 周りを見回し 優を待ちました。 同じように待っている 若い男女の数が あまりにも多いので 見つけにくいのかも知れません。 7時になって 改めて 和巳は見回しました。 突然電話が鳴って 和巳は 電話を取ります。 「僕 優 どこにいるの。 僕エレベータ近くだよ」 と言う声が聞こえました。 電話で聞こえてきた声と 直接の声が 重なっているように思いました。 声のする方を 見ると 優が立っていたのです。