十詩子は
一年前の
高校の卒業式の日に
夢の中でタイムスリップしました。
卒業証書が渡され
校長先生の
言葉が続きます。
「皆様は今日高校を卒業していきます。
『仰げば尊し』を
この後唱歌するでしょう。
この歌は
教師達への感謝の歌と
皆様は
とらえておられると思います。
しかし教師が
生徒を指導・教育するのは
仕事であって
歌の題にあるような
尊敬されることではありません。
またそのようなことで
尊敬されても
嬉しく思う教師は
少ないでしょう。
教師が
嬉しく思うのは
『仰げば尊し』の
2番の歌詞
『身を立て名を上げやよはげめよ-、,,,』
のところです。
皆様を指導教育させて頂いた結果
皆様が学校で社会で積極的な
人生を
過ごして頂けたら
教師としては
最高の喜びです。
皆様の多くは
ここ豊岡を離れて
遠い空の下に行かれる人が
多いと聞いております。
皆様が
それぞれの道で
「名を上げ身を立て」
郷土豊岡に錦を飾って
帰郷される日が
必ず来ると
思っております。
、、、、、、」と
校長先生は訓示されました。
一年前は
何となく聞いていた言葉なのに
夢の中で
今聞くと
十詩子は
感動のあまり
涙が出てきました。
仰げば尊し