ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「ロフトで勉強しましょ」結婚編その6

十詩子:
私は
十八の時に
ふるさとをあとにしました。

それから40年弱が過ぎて
あなたと
またふるさとに帰ってきました。

高校卒業の時
校長先生が
『身をたて名をあげやよはげめよ』と言って
送られた言葉が
やっと今日実現しました。

悟さんと結婚して
故郷に錦を飾ることができたんです

悟:
僕なんかと結婚したからと言って
故郷に錦は飾れないよ

十詩子:
そんな事ないです。

私はとても幸せです。

これからもきっと幸せです。

いやこの瞬間命がなくなっても
幸せです。

悟:
そんなー
ながく一緒に幸せに暮らして欲しい

十詩子:
もちろんそうですよね

ふたりはもう
若くはないのですから

大きな幸せを作りましょうね。

悟:
それにしましょう。

ふたりは
豊岡の市内を見渡せる
山の上で
そんな話を
していました。

遠くに
コウノトリが舞っているのが見えました。

そんなふたりを
遠巻きに
十詩子の家族が
静かに見ていました。

その中の
小さい女の子が
「早く帰りたいよ」と
言ったので
ふたりは
照れくさそうに
車の方へ歩き始めました。