新幹線の中で
十詞子は
妖精に
どのようにして
悟とのきっかけを作るかを
相談しました。
十詞子:
ところで妖精さん
初対面の悟さんと
どんな風に会うのよ
教えて
うまく出来るかしら、、、
目薬の時も
死にそうだったのよ
二度とあんなこと出来ないわ
妖精:
それは大丈夫だわ
私は妖精よ
魔法でちょいちょいとすればいいのよ
十詞子:
どうするの
妖精:
悟の持っている本を私が魔法で落とすから
十詞子はその本につまずいてこけるの
すこし怪我をするほうが
いいかもしれないね
十詞子:
痛そうね
でも思いっきりやって
でも救急車が来ないくらいでお願い
痛いのは我慢するわ
悟ると会えるのなら
命だって惜しくは無いわ
妖精:
分かっているけど
死んだら会えないよ
十詞子:
ところで
妖精って
天使ではないよね
妖精って
湖の妖精とか
山の妖精とか言うでしょう
あなたは何の妖精なの
妖精:
気がついたの
私は十詞子が前住んでいた部屋の床板に使っている
木の妖精なの
木がなくなってしまって
住むところがなくなったから
神様のお世話になっているの
天使は神様そのもので
数を増やすことは大変なんですって
人口が増えて救う人が増えたものだから
私アルバイトでしているのよ
こんな話をしながら
新幹線は京都間近になりました。
十詞子はふたり分の弁当を買って
妖精と一緒に食べました。
新大阪から
尼崎駅に到着しました。
妖精:
まだだいぶ早いみたいね
神様のタイムテーブルによれば
まだ二時間くらいあるみたい。
喫茶店で待ちましょうか。
その前に
あなたを
高校生にしなくっちゃね
そう言いながら
みんなが見ていないところで
星の付いた杖を振って
十詞子を高校生にしてみました。
服はそのままです。
高校生の時は
今よりちょっとだけ
体型が違って
おなかの部分がゆるくなってしまいました。
鏡を出して
自分の顔を科が見てみて
十詞子:
わー
高校生の私だ
肌に張りがあるよね
十詞子は驚きながら
悟と会えるのを楽しみに
喫茶店で待ちました。
まだかまだかと
妖精に聞きながら
2時間は過ぎていきました。