ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 その11

九月になると
稲は
花が咲きます。

稲の花は
一日だけ
咲いて
雄しべを
外に置いて
しぼみます。

そのあと
田んぼは
だんだんと
母の言うには
「黄金色」に
変わっていきます。

「実るほど
頭を下げる
稲穂かな」の俳句通りに
実ります。

我が家の
現金収入の
大部分を占める
稲の収穫の始まりです。

九月の終わりか
十月に始頃に
稲刈りが行われ
田んぼは
様変わりします。

刈った稲を
乾燥させるための
当地では
「だて」という
ものにかけられます。

だてが
田んぼを覆います。

しばらくして
脱穀が始まります。

私が物心ついた頃には
すでに
定置式の
脱穀機が
出来ていて
器械で脱穀していました。

エレベーター式という方法で
稲を挟んで
脱穀機の中に流れていきます。

脱穀が終わると
藁は
藁の倉庫へ
リヤカーで
積まれて運ばれます。

冬の仕事に
藁で藁縄や
藁むしろや
俵を編むのに
使います。

また燃料としても
使われます。

倉庫に入りきらない
藁は
中に柱を立てて
周りに引っ掛けるように積んで
田んぼの中に置いておきます。

この様に
積み上げられたものを
当地では
「ぼーと」と
呼びます。

十月のまつりの季節には
田んぼに
ぼーとが
そこらここらに
出来上がります。

倉庫の藁を
使ってなくなると
ボートの
藁を
倉庫に入れて
秋まで
使います。

同時に
冬作の
野菜を作り始めるか
麦を植える用意を
始めます。