ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その39

薫子の
ボランティア活動は
次の日曜日も
そして次の日曜日も
行きました。


被災者に会うことも
多くなりました。

相手のことを
考えて
笑顔を
コントロールしていました。

しかし
意図した
笑顔では
相手に
満足を与えないと
思うようになりました。

相手に寄り添って
自然な
笑顔が
でるように
しなければならないと
思いました。

この
ボランティア活動が
結果的に
薫子を
成長させたように思います。





登の家族は
手狭な高槻の社宅で
暮らしていました。

六畳のお部屋を
ふたつに分けて
姉と登で使っていました。

今までとは
違う不便ですが
姉も
登も
体育館の被災者の様子を
つぶさに見ると
そんなことは
言えません。

登も
ボランティアに
再々行っていました。

自分たち家族だけが
サッサと
逃げ出したことに
少し罪の意識を
持っていたからかもしれません。

一ヶ月経つと
被災地では
倒壊家屋の
撤去が
入り口から始まります。

登の父親は
撤去が
始まる前から
すでに
住宅の建築を
建設会社と
手際よく
契約していました。