薫子は 実家にもよらずの 丹波口のアパートに 帰りました。 遠くから アパートを見ていると 誰かが アパートの前に立っています。 見たような 姿です。 相手も気が付いたのか こちらに向かって 走ってきました。 陽一君でした。 陽一: 薫子さん大丈夫ですか。 薫子: 大丈夫です。 陽一: 病院へ行っていたんですか 薫子: いいえそうではありませんが 陽一君は なぜここにいるの 陽一: 薫子さんが心配なので 帰って来たんだ 薫子: ありがとう そんなに私のことを 心配しているのですね。 ありがとうございます。 本当のことを言います そう言って 薫子は 陽一君を お部屋に 入れて コーヒーを出しました。 陽一: 薫子さんの お部屋って 綺麗に 整頓されているんですね。 そう言った 陽一君に メールのこと 病気は嘘であること 今日は 恩師に聞いて来たことを 話しました。 そして こう言いました。 薫子: 陽一君には どのように わびていいかわかりません。 ごめんなさい こんなに心配してくれている 陽一君を だますようなことをして 陽一: 良いんです。 病気でなかったら 良いですよ 全快祝いを しましょうよ 食べに行きましょう 薫子: お詫びに 私が 作ります。 お口に合うかどうかわかりませんが 料理学校で習った 料理を作ってみます。 少し待ってて下さい。 陽一: いつまでも 待ちます 薫子さんの お部屋で待つなら いつまででも 一生でも良いですよ。 ふたりは 仲良く 話しながら 料理を 作り始めました。