ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その127

登は
美奈子さんから
薫子のご主人は
陽一君と言って
美奈子さんの初恋の相手であったことを聞きました。

それから
津波で行方不明なったこと
薫子が
「一週間経っても
何の連絡もないのは
亡くなったに違いない、
きっと
悲惨な遺体を見せたくないと
遺体が発見されないように
したんだと思います。

そんなに
陽一君は
私を
愛してくれていました。」と
話していたことも
聞きました。

登は
薫子が
愛されていたんだと
思いました。

その目いっぱいの
愛情が
今も続いていて
元気に働けるんだと思いました。

そんなこんな事を考えると
登の
薫子への思いが
成就することなど
皆無だと
思いました。

でも
でも
そう思えば思うほど
薫子は
本当に良い人だと
思いました。

そして
薫子への
片想いを
続ける羽目になりました。

もし断ち切ったとしても
きっと
誰とも
結婚などしないだろうという
予想もあったのかもしれません。


薫子は
登がそんなことを
思っているとはつゆとも知らず
時々
スーパーマーケットで
出会う登に
笑顔のアイコンタクトで
接していました。


美奈子さんは
口が堅くて
おくびにも出さなかったのです。