ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その59

結婚が
遅くなる理由には
もうひとつあります。

当時は
兄弟の中で
男子が結婚できるのは
ひとりだけです。

ふたり結婚させると
家の数が増えてます。

家の数が増えても
生産手段の田んぼの広さは
増えませんので
お互いに
共倒れとなってしまいます。

家の数を増やすことを
「田分け者(たわけもの)」と言って
当時としては
絶対に守るべき
掟だったのです。

兄弟の中で
一番兄に
普通は
相続する権利があります。

しかし
長男が
病弱だとか
仕事に実が入らないとか
人望がない場合は
そのような者に
家督を譲って
家人全員を
路頭に迷わすことなど
あってはならないと
すべての人は
考えていました。

若くして
結婚すると
人格が
急変することや
急死することが
あるので
小作人は
遅く結婚するのが
常識です。

亀太郎が
29才になった時
隣村の
「ます」と結婚することになります。

見合いでもなく
親が決めたものです。

結婚する当日まで
遠目に見たことがあっても
話し合ったことがありません。

当時の
女性の名前は
ひらがなで
二文字が断然多く
呼ぶ時には
「お」をつけて
呼びます。

三文字になって
呼びやすいというのが
理由です。

妻となる
ますは
おますと呼ばれることになります。