ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その213

清左衛門は
おますに
「話はやさしくしてください」
と念を押されているので
小声で話しました。

優しくと言う意味を
小声で言うことだと
理解していたのです。

怒ったときが
甲高い声なのだから
優しくは
小声というのは
一応
筋が通っていると
考えていたのです。

鶴松は
いつもの
よく通る
清左衛門の声と
違うので
びっくりしていました。

びっくりしていて
その言葉の内容が
理解できませんでした。

清左衛門は
再び
「家督を譲るので
頑張ってみるか」と
言いました。


鶴松は
清左衛門が
言っていることは
一応理解できました。

前もって
用意していた
答を
言おうとしました。

でも
声が
出ないのです。

父母の前に来ると
何も声が出なくなってしまうのです。

「謹んでお受けします」と
言おうとするのですが
声が出ません。

焦れば焦るほど
口が
動かなくなりました。