人が死ぬと 何かと 慌ただしくなります。 医師や ヘルパーや 葬儀屋さんが やって来ます。 弥生の家は 門徒で 父親の 月命日に いつもお寺さんが やって来ていました。 そのお寺さんにも電話して 枕経を お願いしました。 お葬式は 斎場の都合によりますので 次の日の朝 10時と決まってしまいました。 通夜が来て 近所の面々が 慌ただしく 弔問に訪れ 時間が過ぎていきました。 夜の 10時頃 親戚の連中が 帰り去ってしまうと 白く幕が張られた お部屋に 和己とふたりになってしまいました。 ローソクの火が たなびき 線香の煙が 漂っていました。 夜は すぐに 明け 明るくなってしまいました。 慌ただしい日が 始まりました。 葬儀社の方が やって来て こんな風にして下さいと いろんな事を指示されました。 そのように するのがやっとで 参列者の目も見ずに お辞儀の連続でした。