ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

小説『冴子』震災部分その8

小説『冴子』なのに

本文中の女性の名前が

倫子(のりこ)と異なっているのか

疑問に持たれている方も

おおいかなと

思っています。

 

冴子は

駆け落ちしたときに

見つからないように

名前を

倫子に変えたのです。

 

不倫なのに

倫子なんて

すこしあてこすりですよね。

 

まずそんな偽名を使わないと

思われるので

使ったと言うことです。

さて本文に戻ります

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朝方になると
さすがに寒く
捜索する人も
少なくなって
重機だけが
音を立てていました。

時間は過ぎて
日も昇ってくると
河本さんも
着いて
持ってきていただいた
お弁当を食べ
暖かい
コーヒーで
少し暖まりました。

捜索線は
昨晩より
店に近づきました。

心の中で
もっとがんばって
探して下さいと
叫びながら
見ていました。
日が沈めかけた時
ついに
店までたどり着いたように
遠目で見えました。

しかし
今日は
7時頃に
捜索は
休止になりました。

毎夜続けて
徹夜での捜索は
きついと言うことです。

捜索する人も
相当疲れているようです。

今日は
アパートに帰って
休むことにしました。

まだ
入り口から入れないので
窓から入りました。

散乱するものを
少し片付け
横になりました。

すぐに眠りに入ってしまいました。

そして
朝までぐっすりです。

服を着替えて
国道筋まで
歩いて行きました。

道路は
少しは片付いていました。

現場では
捜索の
自衛隊員や警察官消防士さんが
集まりはじめ
隊長の
点呼の後
捜索が始まりました。

倫子の店と言うことで
倫子も近づくことを許され
間近で
じっと
見続けました。

 

 

 

30人以上の人が
捜索しました。

しばらく経つと
大きなコンクリート片が
横たわっており
重機で
撤去し始めました。

撤去をするためには
小一時間かかりました。

やっとつり上げはじめ
その下が
見え始めて
隊員のひとりが
大声で叫びました。

「遺体発見」の声を聞いて
隊員たちは
ブルーシートを
周りに
張り始めました。

係員が
合掌して
写真を撮影する
姿が倫子たちにも見えました。

白い袋と
担架が用意され
運び込まれます。

隊員のなかで
年嵩のある方が
倫子たちに近づき
「残念ですが
二体のご遺体を発見致しました。

遺体は
大変損傷していますので
ご遺体の確認は
警察の方で行います。

歯型を取るために
通っておられた
歯医者さんをお教え下さい。」と
伝えました。

倫子たちは
泣き崩れました。