ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

小説『冴子』震災部分その17

倫子は
窓から入る
夕日が
まぶしく見ました。

駆け落ちして以来
自分だけの夕食を
初めて作って
食べました。

ひとりで
あまり何もない
アパートで
ひとりで
食べると
悲しくなりましたが
泣きませんでした。

強く生きていくと
勇治と
あのとき約束したから
絶対に泣きませんでした。


アパートの家賃は
補助があって
当分の間は
負担は少なくなっています。

早く
仕事を
探して
自立しなければならないと
思いました。

ハローワーク
探しました。

たいした職歴もなく
技術もなく
普通の
中年の女性が
できる仕事は
少ないと
ハローワークのひとには
言われてしまいました。

倫子は
「どこでもいいから」と
付け加えてしまいました。

希望を
ぐっと落としても
1ヶ月あまり
面接を繰り返しました。

当時は
バブルがはじけて
不景気だった上
震災で
経済が混乱していたから
職探しは
大変でした。

そんな
面接を受ける合間に
避難所にも
ボランティアで
行っていました。

そんな体験を
面接で話したら
そこの社長が
気に入ってくれて
めでたく
職が見つかりました。

新しい職場は
倫子のアパートから
自転車で
15分ほどの所にある
刻みキャベツを
供給する会社でした。

野菜サラダなどに使う
刻んだキャベツを
スーパーや
ファミレス
ハンバーガ-屋
弁当屋さんに
供給する会社です。

翌日から
多量のキャベツとの
格闘です。

冬は
大変な仕事ととなるのですが
仕事が決まって
名実ともに
勇治は
思い出の中のひとに
なってしまいました。

(今回で
震災関連の
お話は終わります。

もちろん
震災の傷跡は
何年何十年と
残ります。

もっと
もっと
そして
もっと悲惨なのですが
書くことができません。

目の前で
焼け死んでいく
人の話を
伝聞で
聞いたことがありますが
その後
それを思い出すたび
PTSDに襲われます。

ご想像下さい。


読者の皆様には
類推して頂きますよう
お願いします。)