ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その74

ながらく
会っていなかったので
雪子は
懐かしく思いました。

篠原君は
思いが叶ったと
思っていました。

ふたりは
用事が済んだので
一緒に
帰ることになりました。

はじめてです。

大学通りと呼ばれる
駅までの
道を
ふたりで歩きました。

いつも
実習室では
隣の席で
しゃべっているのに
緊張してしまいました。

電車が来て
乗り込みました。

昼時だったので
電車は
がらがらで
隣同士に
座りました。

篠原君は
胸がドキドキしました。

雪子は
それがわかっているのか
「篠原君緊張しているの」と
言って
笑っていました。

雪子は
二駅先の
布施で下ります。

少しだけ
冗談で
「次で
篠原君も下りたら」と
話したら
いつも控えめな
篠原君が
「うん
ボクも下りる」と
言ったのです。

雪子は
この意表を突かれて
内心穏やかではありません。