ハチ公の銅像から1分の
リゾット屋さんについて
窓際の席に座りました。
武は
前もって来ているので
メニューを見せて
「これが美味しいんだよ」
などと由美に言いました。
由美は
「それって
前もって調べてるでしょう。
わざわざ来たんじゃない?
武さんこのためだけに
来たでしょう?」
ちょっと意地悪に
言いました。
武:
やっぱりばれたかな
でもねこれは
用意と言って
ネタじゃんないんだよ。
だって由美さんに
美味しくないものを
勧められないでしょう。
由美:
そうかな
こういうのは
準備でいいのかな。
武:
そうだよ
由美:
でもね
用意はいいのよ
ネタのように見えないようにするのがいいのかと思いますよ。
ちょっと意地悪でごめんね
武:
そうできればいいんですけど
由美:
例えばね
この渋谷はね
坂が多いでしょう。
大阪に比べれば
東京の山の手は
坂が多いよね
この坂なぜ多いか知ってる?
武:
そう言えば
東京は多いよね。
大阪は
大きな坂と書くのに
大きな坂はないよね。
谷町と言っても
坂なんてちょっとしかないよね。
そんなこと考えなかったよ。
由美:
武さん知らないの
じゃ武さんが
知らないからと言ってね
ここで
その答えを
突如話し始めると変でしょう。
やっぱり
前振りとか
話す準備が必要だと思うのです。
だかね。
うまく言えないけど
やっぱり自然にそんな話題になるように
すべきだと思うの。
武:
参考になります。
ところで気になっているんだけど
なぜ東京には
坂が多いの?
由美:
それはね、
でもそれをここで言ってしまったら
おもしろくないよね
やっぱり話は
引っ張らないといけないので
内緒にしておきます。
武:
えー
教えてくれないの
ふたりのリゾットを食べながら
こんな話は
続きます。