ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 6話

その日がやってきました。
十詩子と十詩子を応援する敬子は
いつもの席に座りました。

後になって
なぜこんな大胆なことをしたのか
そしてなぜこんな方法なのか
わからないと
十詩子は思ったことですが
この日のこの時間の
十詩子は合理的な考えが出来なかったのです。

(ここまでは
フィクションです。
ここからは名前は仮名ですが
ノンフィクションです)

先生がいつものように
少し横道にそれて
教室が少しだけざわついた時
バックから
目薬を出して
目薬を開けるようなふりをした後
「この目薬空かないわ
敬子出来る?」と言って
敬子に渡しました。

その後敬子は
「出来ないわ」
と言いながら
目薬を
十詩子に返しました。

十詩子は
「開けてもらいませんか」
と言って
後ろの学生の机の上に
その目薬を置きました。

この間
十詩子は
上気して
顔を真っ赤にして
そして声がうわずってしまいました。
表現出来ないくらい
恥ずかしくて
消えてしまいたいと思いました。

後ろの悟は
突然前の女性が振り返りざま
目薬を
机に置いたのです。

悟は何が何だかわからなくなりました。
彼は先生が横道にそれたときは
勉強以外のことを
いつも考えていて
外のことは
聞いていないのです。
その上
十詩子の声が
うわずっていて
よく聞き取れなかったのも一因です。

でも
これは何かあると考えました。
悟は
一気に
耳まで
赤くなって
どうすべきか
考えました。

でも
しかし
どうしよう
などと考えて
5分が経ちました。

(実際は
悟はここでは何もしません。
しかし
この物語では、
少し違います。
悟はちょっとだけ違うことをします。
そのちょっとした行為が
ふたりの未来に大きく影響するのです。
ここからは
フィクションです。)

悟は
震える手で
目薬を手にとって
その口を開けて
小声で
「どうぞ」と言いました。