ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 64話

一方悟の方は
十詩子のことを
もちろん忘れずにいました。

しかし
毎日あっていた十詩子が
いなくなって
むなしい感じを
紛らわすために
好きな建築の勉強に
没頭していました。

悟も
十詩子と同じように
一途な男だったのです。

毎日課題の
製図をしたり
好きな構造計算を
手計算で解いたりして
時間を過ごしていました。

十詩子が東京に行ってしまって
2年が過ぎて
悟は
大学の4年になりました。

就職が気になり出しました。
その頃の就職は
9月解禁と言って
9月から始まることになっていました。
悟は
取りあえず
東京勤務の
会社はないかと
探しましたが
東京勤務と言っても
全国に転勤になるかも知れないので
確実に東京に行く方法を
考えました。


悟の調べたところに依ると
例えば建築職で
東大とかが募集するらしくて
そこに就職すれば
転勤もなく
東京にズーと入れるという事になるそうです。
そこで
国家公務員試験を受けることになりました。

手始めに6月に国家公務員試験と
その力試しに
大阪府の地方公務員試験を受けることにしたのです。

悟は
就職試験のために
相当勉強しました。
しかしそのことは
十詩子には言いませんでした。
もし落ちたら
恥ずかしいので
言わなかったのです。