ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その67



勇治は
パン屋で
働いて
腕を磨き
お金を貯めていました。

でも
ここ二 三年は
ゲームセンターに凝っています。

バブルのおかげで
お給料が上がったので
その上がった分で
ゲームセンターに通っていたのです。

勇治は
ゲームセンターの
ゲームは
うまくて
クレーンゲームで
人形をイッパイ持って帰ったりしていました。

6畳一間の
小さなアパートに
まだ住んでいましたので
置く所がなくなって
困ったくらいです。

冴子と
休みが合わないことを
良いことに
休みの日は
必ず
一日中行っていました。

大きな部屋へ
引っ越しの話は
ふたりの間では
出たことがありません。

パン屋の開店がありますので
その夢のために
お金とためるのが
一番の目的でした。


でも
前よりは
冴子には
浪費しているように
思いました。

そんな日々が続いて
平成2年がやってきました。

バブルが破綻する前夜の時期なんですが。

勇治は
突然
「パン屋の店を
見付けたんだ」と
冴子に言ってきました。