スナックでの 仕事の初日 冴子は 疲れました。 ママ(店長を店内ではこの様に呼ぶことになっています)の 後ろについて 仕事をしていただけですが 疲れました。 そんな勤務時間が終わり 店長に呼ばれました。 店長: 慣れないこととは思いますが もう少し 積極的にして下さい。 冴子: 何か話そうと思うのですが 思い浮かばないのです 店長: 相手の話をよく聞き 深く相づちをつくだけでも 充分な時もある 話すの 不得意なら 聞き上手になったら 冴子: 聞き上手は 相当難しいのでは 店長: 聞いているフリをするのです。 お客は 酒で酔っていますから 細かいことは わかりません。 冴子: そうなんですか あすから 努力します。 そんな話をして 帰りました。 冴子は 心配でした。 子供の頃から 友達も少なく とくに 中学生の時の あの事件以来 親友と呼べる 友達もいなくなった 冴子ですから 話をするのは 苦手だったのです。 でも キャベツ工場も 辞めて 後がありません。 努力するしかありません。