ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

クリスマス企画「もうひとつの冴子の人生 パート2」その6

昼休みの
同僚との
昼食は
仕事とは
正反対に
楽しい時間です。

この時間がなければ
きっとこの会社の
社員は
辞めているのではないかと
思います。

でも
実際は
そう簡単には
辞められないのが事実です。

いまは
バブル後に不景気で
就職難で
新しい職場を
探すのは
大変で
そんな簡単には
会社は辞められないと
冴子も
思っていました。

そんなことを考えながら
会社を終えて
アパートへの帰り道
先日の
スナックの前を通りました。

まだ
求人のチラシが
貼ってありました。

見た時から
気になっていました。

それに
冴子は
いま40歳
求人のチラシには
40歳までと
書かれています。

最後のチャンス
です。

この「最後のチャンス」という言葉には
冴子は
弱かったのです。

それで
スナックの前に
自転車を止めて
中に入りました。

「いらっしゃいませ」と
笑顔で
ホステスが
迎えてくれました。

冴子は
「求人のチラシを見てきました」と
言うと
中の店長に
それを伝えました。

店長は
「経験は?」と
聞いてきました。

冴子:
経験はありません。
でも
してみたいんです。

店長:
ホステスの仕事は
大変ですよ。
見るとやるでは大違い
勤まりますか。

それに話し上手でないと
いままでに
商売していましたか

冴子:
神戸でパン屋さんをしていました。
地震で潰れてしまいましたが

店長:
それはお気の毒ね
勤め先を探しているのね

一度やってみますか。

冴子:
やってみたいです。

店長さんの目から見て
私にも
できますでしょうか。

店長:
そんな弱気なことを
あなたが言っていたら
できませんよ。

できると思ったから
来たんでしょう。

冴子:
すみません
なにぶん初めての経験ですので
でも
がんばります。

そんな風に
逆に
店長に励まされてしまいました。

被災したことに
同情してもらって
冴子は
本当にありがとうと
思いました。

月末には
冴子は
キャベツ工場を
辞めて
スナックのホステスに
転職することになります。

キャベツ工場の同僚も
冷え性なら
その方が良いと
言ってくれました。

スナックにも
応援のために
来てくれる
言ってくれました。