ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 その14

いにしえの 猪名の笹原 田になりて

殻焼く煙 ゆら立ち上り


見ている時は
そのように思いませんでしたが
五十五年経った時
私は
無常を感じます。

姉は
時間を経て
私に
「遊ぼうか」と
言ってくれました。

いわゆるままごと遊びです。

姉は
もちろん
母親役で
登場です。

私は
いつもは
赤ちゃん役です。

姉が筋書きを
決めます。

そんなことを
小一時間していると
母が
夕餉の支度で
帰って来ました。

今日は
風呂を
たてる日です。

風呂に水を
入れなければなりません。

今なら
スイッチを
押したら
自動で入りますが
当時はそんなものはおろか
水道もありません。

姉と母は
桶で
小川の水を
運びましす。

私は
重い桶を持てるほど
大きくはなかったので
しませんでした。

大きくなったら
しなければならないと
思いましたが
ものすごく大変なようにみえました。

でも
その後
水道が来て
そんなことは
しなくても良いことになりました。

大変な
お風呂ですので
冬は
三日か四日おきです。

何回も運んで
5分目まで
入りました。

私の家の
お風呂は
五右衛門風呂です。

周りが
木の桶のようになっており
竹で
輪掛けがされています。

そこだけが
鉄で出来ています。

お風呂の下には
焚き口と
煙突があって
焚き口から
火を焚きます。

当時の
私の家は
薪を買う現金がありませんでしたので
もっぱら
藁を
燃やしつけていました。

藁だけでは
足りなくなりますので
「とうじんぐさ」と
呼ばれていた
女郎草を
秋に刈って置いていました。